著者 : 山口未桜
霧と有毒ガスに 閉ざされた病院で発生する 不可能犯罪 2025年本屋大賞ノミネートの 『禁忌の子』に連なる、シリーズ第2弾 研修医の春田は実習のため北海道へ行くことになり、過疎地医療協力で派遣される城崎と、温泉湖の近くにある山奥の病院へと向かう。ところが二人が辿り着いた直後、病院一帯は濃霧に覆われて誰も出入りができない状況になってしまう。そんな中、院内で病院スタッフが変死体となって発見される。さらに翌朝に発生した大地震の影響で、病院の周囲には硫化水素ガスが流れ込んでしまう。そして、霧とガスにより孤立した病院で不可能犯罪が発生して──。過疎地医療の現実と、災害下で患者を守り共に生き抜こうとする医療従事者たちの極限を描いた本格ミステリ。2025年本屋大賞ノミネートの『禁忌の子』に連なる、シリーズ第2弾。
デビュー作にして 2025年本屋大賞ノミネート! 投稿作であることも忘れ手に汗握った。 読者を没入させるストーリーテリングができる方だ 青崎有吾 とにかく書きっぷりが達者で、私は作品の半ばまで読んで 「これが今年の鮎川賞だな」と確信した 東川篤哉 良質なサスペンスドラマのように、主人公が歩みを進めるたびに 真相に近づいていく展開は見事のひと言 麻耶雄嵩 救急医・武田の元に搬送されてきた自身と瓜二つの溺死体。 彼はなぜ死んだのか、なぜ同じ顔をしているのか。 「俺たち」は誰なんだ。 現役医師が描く医療×本格ミステリ 第34回鮎川哲也賞、満場一致の受賞作 救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とはーー。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第三十四回鮎川哲也賞受賞作。