著者 : 山吹静吽
夜の都夜の都
異国から来たライラが魔女の「クダン」から教わるのは、妖精の鱗粉を触媒とした、月の姫から授かりし魔術。千年を超え月の姫への奉仕を続けてきたお師匠様、かつて彼女と袂を別った姉弟子。人の死霊である亡者と闘う任務を、世界を守る役目を、図らずも背負わされた少女のもとに訪れた過酷な運命とはー日本ホラー小説大賞出身作家、世界の真実を明かす第2作。
迷い家迷い家
山のお屋敷は人さ、とるのだぞー。昭和20年の夏、疎開先で妹の真那子が神隠しに遭った。一本気な軍国少年・冬野心造は、妹を捜し、蕗の原に佇む巨大な屋敷に足を踏み入れる。逆さに吊られた血の滴る猿、どこまでも追いかけてくる髪の長い女…。謎の犬「しっぺい太郎」に助けられ、怪異と戦う心造の胸に芽生えた紅蓮の野望と、屋敷が共鳴する時、“何か”が起こる!民間伝承を取り込んだ、精緻にして規格外のホラー。
迷い家迷い家
ここは迷い家。妖と霊宝を隠世に閉じ込める屋敷ー。昭和20年。火の雨降る東京から、民話が息づく地・古森塚に疎開した少年・冬野心造。しかし、ほどなく妹の真那子が行方不明となる。脱走か、人攫いか、神隠しかー。証言をもとに山に入った心造の前に忽然と現れたのは、見渡す限りの蕗の原にたたずむ巨大な屋敷だった。次々襲ってくる妖怪たちをかわしながら、老犬「しっぺい太郎」に導かれ、屋敷内の様々な「霊宝」を使って脱出を図る心造。時代の夜に取り残され、闇の中で一人、焼け爛れた悪夢を見続ける少年の心には、いつしか紅蓮の野望が芽生えはじめてー。第24回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞作。
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