著者 : 川上健一
「めぐりあい」をテーマに名作短・掌編を精選したアンソロジー。読書への入り口に。旅のお供に。日々のひとときに。人気作家、ベストセラー作家の贅沢な競演。いずれ劣らぬ名作揃い。(解説/吉田伸子)
春まだ浅い青森は十和田。高校卒業三日目。肩を壊し野球選手の夢を閉ざされた“ぼく”は同級生の駆け落ちを手伝ううちに相撲取りにスカウトされ就職も取り消しに。初恋の人との再会、釣り仲間との密漁と童貞卒業計画、番長の喧嘩に乱入、米兵との諍いに巻き込まれたり、ドタバタでしょぼいけれど素敵な事件の数々。人生のターニングポイントになった24時間を描いた、青春の疾走感がまばゆい傑作。
相田みつを×川上健一。書と小説のコラボレートによって生まれた新感覚短編集!しみじみと心に染みわたる書と小説が全30編。毎日、暦をめくるように、三十日間、三十の人生と感動に出会えます。
ふたりの出会いはマラソン大会で走っている最中だった。小杉純也はプロを目指す高校球児。坂本ららは走ることと笑うことが大好きな高校生。ららは、運動会から始まってロードレース、駅伝、フルマラソンと次々に記録を塗り変えてしまう。オリンピックすら視野に入って来た。純也もスカウトの目にとまって、プロ野球の選手としてデビューした。涼風のようなふたりの恋。青春長編ラブストーリー。
98対97。フィラデルフィア対レイカースのバスケットの試合は、接戦だった。シュート1発で逆転する。ジムはいま、まさにジャンプ・シュートしようとしている。見つめる満員の観客が、歓声を爆発させようとする一瞬。だが、ジムは…。はじめる若さ、噴き出す清涼な汗、疑い知らぬ感激の涙…。ユーモア・タッチで綴る爽やかスポーツ小説。表題作他12編を収録。
高校生・杉本宇宙の夢はウィンブルドンを制すこと。世界の強豪たちーマッツ・ニランデル、ジミー・コナクソーズ、イワン・イチドル、そしてジョン・マッケンゾーといった超一流プレイヤーを相手に、17歳の宇宙の腕は鳴るのだった。抱腹絶倒ユーモア・テニス小説!
ロッカールームで球団オーナーの死体が発見された。試合はまっ最中。それが殺人事件と分ると、もう野球はそっちのけで大騒ぎ。殺しは、いつ、どのようにして起きたのか。珍プレーに人の目が集中しているうちに、犯人は動いた、とやがて分る。オーナーの娘・亜矢を巡る選手同士のサヤあてから、年俸問題まで、オーナーへの怨みのタネは尽きない。果してホシは誰?軽妙なタッチで進行する書き下しユーモア・ミステリーの傑作。