著者 : 川中大樹
日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作家によるアンソロジー第二弾!海野碧、両角長彦、石川渓月、川中大樹、前川裕の五名が「街」をテーマに競作。旧型ポストがある田舎の街から基地のある街、さらには新宿ゴールデン街までーその場所ならではの五つの「謎」。個性豊かな著者たちによる、バラエティーあふれる短編傑作集!
辻堂で発見された女性の惨殺死体の状況は、すでに犯人が死亡したはずの三年前の猟奇連続殺人、通称“アラストル事件”を彷彿とさせるものだった。藤沢南署の若手刑事・佐倉真理子と、幼馴染みのニュースキャスター・水瀬智世は、協力して犯人を追うが…。殺人の連鎖に、加熱する報道合戦とネット世論、翻弄され続ける警察。現代の犯罪の闇を抉る、傑作ミステリー。
神奈川県の強豪校・湘大藤沢の四番打者だった島野は、今はスポーツライターとして活躍している。事故死したライバル校のキャッチャー・中尾の十三回忌が営まれた夜、預かった彼の戦術ノートを奪われてしまう。なぜノートは狙われたのか?探り始めると、あの夏、球友が隠したある秘密の存在が明らかに…。元球児たちの友情に心熱くなる、高校野球ミステリー!
神奈川県警藤沢南署の刑事・佐倉真理子は、辻堂で発生した殺人事件を担当することになった。女性の死体はズタズタに切り刻まれ、現場にはピースマークが印刷されたカードが遺されていた。まさかこれは、3年前に発生した連続猟奇殺人事件“アラストル事件”の再現なのか!?その夜、真理子の幼馴染み・水瀬智世がキャスターを務める“スクープアイ”では、気鋭の犯罪心理学者をゲストに招き、この事件をトップで取り上げたー。女刑事×ニュースキャスター。卑劣な悪は赦さない、Wヒロインが非道な犯人を追い詰める!気鋭が放つ、警察ミステリーの新機軸!
尽誠会巴組組長・水谷優司は、抗争で妻を失った過去を持つ。仁義に篤い彼を慕うフィリピン人留学生シェリーは、家族同然の存在だ。ある日、謎めいた言葉を残して幼馴染みの神楽武雄が殺された。優司は事件を追うが、武雄とシェリーの背後に国境を越える巨大な犯罪の影がちらつき始める。暗躍する犯人に優司は辿りつけるか?日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
元高校球児の島野圭一は、高校野球史に残る名勝負の取材中に、預かった日記を奪われてしまう。日記は、12年前に不審死を遂げたライバル校の捕手・中尾がつけていたものだった。もしや、中尾とバッテリーを組んでいた紀田のウイニングショット“二軸スライダー”の投げ方が書かれていたのではないか?宿敵のエース・紀田に敗れて甲子園を逃した苦い記憶を胸に、島野は調査を始めるのだがー。