著者 : 工藤堅太郎
ひと月前、亮之介は箱根の山でその女に遭遇していた──。江戸の町に現れた美しき女剣士。女は二百年前の島原・天草一揆に端を発したキリスト教信徒迫害による怨念を抱え、復讐を誓っていたが……。俳優 福士誠治氏、推薦!! 序 章/第一章 紅毛碧眼の女/第二章 隠れキリシタンの女/第三章 不知火組異聞/第四章 金無垢の聖母マリア像/第五章 魔性の誘い/第六章 妖術か、幻術か
探偵シリーズ二作目の舞台は、みなと横浜。台風が接近していたある日、行方不明になっている姉を捜してほしいと、女子高生から依頼があった。管轄の刑事の話では、他にも捜索願いの届け出が続いているという。竜次が依頼者の自宅を訪ねると、そこには酒乱の家主が…。
新宿歌舞伎町。二日酔いで事務所に現れた竜次は、今日も事務員の頼子に咎められている。ワイルドターキーとジャズを愛する男の日常だ。指定された喫茶店で客を待っていると、やって来たのは大物代議士の秘書だという男で、首筋と額に脂汗を浮かべながら何かに怯えるようにガタガタと体を震わせていたー。過激なアクションを数多く経験してきた役者、工藤堅太郎が描く探偵小説の快作!
大塩平八郎の乱で生存が不明だった格之進が、隠密廻り同心の亮之介とそっくりだったら…、そんな想像から生まれた物語。命を吹き込まれた登場人物たちの躍動感と息もつかせぬ展開に、いつしか筆者の創造した迫力ある世界に引き込まれていく。芸歴60年の役者、工藤堅太郎が描いた痛快時代小説!
闇夜に煌めく白き刃ー隠密廻り同心結城龍三郎の家を黒い影が襲う!辛くも四人の賊を退けたが、残された直刀から、忍びの者による襲撃と睨む。若い女性の神隠し事件で、目白の寺を探り始めた矢先のことだった。なぜ龍三郎の命を狙うのか?神隠しとの関わりは?龍三郎は探索を進めるが、恋女房のお藤を人質にとられ…。幕府を牛耳る巨悪と対峙する!