著者 : 広谷鏡子
瀬戸内海を望む香川県丸亀市。野球をこよなく愛する桂子は、クラスメイトのざっきゃんに誘われ、野球部の女子マネになる。目指すはもちろん甲子園! 夏の県予選は準決勝で負けたけど、秋の大会に向けて再び練習に励む。そんな時、野球と同じくらい大好きなレッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジ似の河崎くんに出会った桂子は……。甘酸っぱくてちょっとほろ苦い青春物語。
父の入院と彼との別れをきっかけに東京から香川に戻った恵里子。地元で暮らす決心をした彼女は、ひょんなことから地元商店街復興に関わることに。家族、仕事、恋に揺れ動く30代女性を描く長編小説。
不倫、だけど純愛。心に迫るラブストーリー 放送局に勤める倫子。3年近く一緒に暮らした局のディレクターである達彦が亡くなった。恋人として達彦と濃密な日々を過ごした倫子だったが、それは、許されぬ不倫の恋でもあったのだ。葬式の日に初めて会う達彦の妻・ひとみと娘。そちら側の席に自分ではない女性がいる現実に打ちのめされる。ストーリーは、葬式の日から遡り、二人の女性の間で揺れ動く達彦との日々を紐解きながら進んでいく。最後に妻ひとみから倫子へ手渡された達彦からの手紙。そこには倫子に対する深い愛情がしたためられていた。禁じられている恋だったかもしれない、だけどお互いが必要だと思えた確かな瞬間があればいい。「愛」だけを純粋に求め合った二人の軌跡をたどる物語。2007年4月に刊行した「六月の海を泳いで」からタイトルを変え、加筆改稿し待望の文庫化。 【編集担当からのおすすめ情報】 恋をしている全女性に贈りたい純愛ラブストーリー。倫子の気持ちが、時に淡々と、時に心乱れながらも、バランスを保っている様が真に迫る。愛する人を失うことが、逆にその人の存在を大きくするという事実に心が震える物語です。