著者 : 新美健
小普請組に属す小身武家の葛木家には、男の六ツ子がいる。みな莫迦である。妄想癖の逸朗、傾奇者の雉朗、剣を振り回す左武朗、死狂いを目指す不穏な刺朗、金儲けが大好きな呉朗、遊び人になりたい碌朗。悩んだ父親は宣言する。莫迦どもの中で一番ましな者に家督をゆずる。それ以外の五人は座敷牢に閉じ込める!慌てた六ツ子は我こそ跡継ぎにと主張し、突飛な行動に…呆れて笑いがとまらない、ろくでなし大騒動小説。
江戸四宿に数えられる、甲州街道最初の宿場町“内藤新宿”。品川宿に次ぐ繁華街として発展するこの町に、遊廓帰りの客を当て込み夜通し営業する居酒屋があった。その名は“夜中屋”。浪人、やくざ者、大店の若後家、そして同心ー一流料理人だった先代から店を継いだ主の丹吉の酒肴目当てに訪れる訳ありの常連客たち。だが丹吉には、彼らも知らぬ隠された過去があった…。実在した呑み屋を舞台に描く、人情グルメ時代小説!
激動の幕末。南朝の皇子との噂がある美貌の剣鬼・椿は、新撰組や西郷吉之助から、倒幕の駒として狙われていた。そんな中、椿の元に遊女志望の女、早咲がやってくる。彼女は色気もなく芸事もできないが、抜群の剣の腕を持っていた。一方、“人斬り”の河上彦斎は、長州兵を攻め込ませるため二条城を燃やそうとしていた。椿と早咲はそれを阻止するため、現地へ向かうー。峰隆一郎の遺伝子を継ぐ幕末剣鬼伝、シリーズ第2弾!
狂瀾怒涛の幕末の京都に、美貌の剣鬼がいた。その名は椿。天性の人斬りである椿は、幼馴染みの禿・小菊と共に遊廓で育った。育ての親で、遊廓の楼主の為右衛門には、別の顔があった。朝廷の威光と遊廓の資金力を元に、倒幕を企て、椿を利用していたのだ。一方、対立する新撰組も、椿を味方に引き込もうと画策していた…。暗闘が繰り広げられる中、椿の必殺剣が冴えわたる。驚異の新鋭が贈る、剣戟と色欲に満ちた新シリーズ!