著者 : 日下三蔵
渡辺啓助集渡辺啓助集
女性の目に入れられた義眼に異常な執着を示す男の物語「偽眼のマドンナ」。盗撮のレンズを通した女性に情欲を覚える男の姿を描いた「写真魔」。牧師を天職としながらも内奥に潜む悪を日記に綴る男の数奇な運命を描いた「聖悪魔」。自分を裏切った女と作品を酷評した批評家への復讐をたくらむ悪魔派探偵作家の仕掛けた罠を描いた「地獄横丁」などを収録。
小酒井不木集小酒井不木集
こんな凄い作家がいたとは!大正末期から勃興しつつあった探偵小説界に、医学者としての知識を駆使した作品群で多大な影響を与えた小酒井不木。安楽死、毒薬、人工心臓、人体実験など今も古びないモチーフと意外な結末。科学と神秘的世界が結合した世界をみごとに描き切った作風は、新鮮な輝きを放っている。好評「怪奇探偵小説傑作選」につづく、新シリーズ刊行開始。
岡田鯱彦名作選岡田鯱彦名作選
五人のT大生の間に生じた確執は、やがて恐しい決闘へと発展していった…。古き良き時代の学生生活と雄大な自然とを背景として、ある完全犯罪の顛末を描く名品「噴火口上の殺人」、ドンデン返しの連続で若き日の佐野洋を唸らせた「四月馬鹿の悲劇」、欺瞞を許しておけない性格の男の悲劇「真実追求家」など、戦後本格派の雄の全短篇から選りすぐった傑作、全10篇。