著者 : 日下藤吾
民権の火柱江藤新平民権の火柱江藤新平
「新しい日本国は俺の頭脳から生まれる」。佐賀鍋島藩のどん底武士の家に生まれた新平は、八面六臂、彗星のように維新政府の司法卿に躍り出ると強烈な自信と学才を駆使して僅か一年で法治国家の礎をつくったが-。官僚制国家を目ざす大久保と、自由民権国家を理想として燃える新平の間の亀裂-「維新の志を忘れ腐敗の限りを尽くす巨悪」にただ一人で挑戦した新平は、佐賀の乱の鎮静のために西下、大久保によって首魁にされ、太政官法廷での大論陣の計画も空しく、暗黒裁判で梟首刑に-。現代の病根の源流に肉迫。
討幕軍師平野国臣討幕軍師平野国臣
福岡黒田藩6石取りの足軽の子に生まれ、父母妻子を捨てて志士の道に投じた歌人国臣は、西郷隆盛に「藩と幕府は無用有害。時代の要求は民衆を柱にした新しい国づくり。実現の道は公武合体でも佐幕でもない。ただ討幕のみ」と、火矢の飛び出す眼光で開眼を迫る。天皇に「回天三策」を献じると、討幕の潮流に火を点じるため生野に挙兵-。知られざる維新史の深部に迫る。
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