著者 : 日野洋三
漆花に捧ぐ漆花に捧ぐ
第7回東奥文学賞の大賞に輝いた作品。日野洋三さんが執筆した「漆花に捧ぐ」は、江戸時代中期の弘前藩で津軽塗につながる技法を築いた塗師・池田源太郎の物語です。数々の困難に直面しながら、家族の献身的な愛に支えられ独創的な塗りの技法にたどり着くまでを描いています。 最終選考委員の文芸評論家・三浦雅士さんは「視点を世界から日本、登場人物へと迫っていく作品の骨格は司馬遼太郎が開拓した手法に通じる」とたたえました。同じく委員を務めた芥川賞作家・川上未映子さんは「塗りの成立自体が作品構造にダイレクトに響いてくる」とし「文体もテーマも単独的で刺激的」と評価しました。
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