著者 : 星乃あかり
へんしんへんしん
逢魔が時、赤い橋の上に巷で評判の占い老婆がいた。『玉占〜たまうら』と書かれた行燈の傍らに大きな壺とでぶ猫。ままにならない人生に疲れた四人の男女が老婆の手招きに誘われて、壺から取り出した玉は正直玉、なまけ玉、やきもち玉、はずれ玉。それが四人の不運の元だった。「大福や、ちょいと一働きしておくれ」と老婆に言われた白いでぶ猫が、壺に上体を突っ込んでくわえてきたのが、四人の人生を逆転させる、ほら吹き玉、働き玉、妬かれ玉、当たり玉。老婆から一日八文で借り受けた玉は果たして悩みを解決してくれるのか。おもしろ怖い江戸ファンタジー!
たまうらたまうら
「あんた、迷いを晴らしたいんだろ。いくら出せるかね?」昔も今も、人の悩みはつきぬもの。藁にもすがりたい人々の間で、ある噂が流れていた。「玉占〜たまうら〜」という行燈を掲げて、どこからともなく現れる不思議な老婆が、どんな望みもかなえてくれるというのだ。鍵を握るのは、まるまる太った金色の瞳の猫と、青い複雑な模様の描かれた白い大きな壺。「この壺の中の玉をひとつ選ぶのさ。ほれ、試しに引いてごらん」。玉の導く運命は?地獄から、「もう来るな」と言われた業突く占い婆さんの真の目的は?あなたの心を柔らかくする、“あやかしエンタメ”開幕!
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