著者 : 望月朔
たのしい傭兵団 1たのしい傭兵団 1
「傭兵」。その勇ましい呼弥とは裏腹に、この時代において最底辺とされる職業である。世界最高峰の教育機関である王立大学院の学生、ウィラード・シャマリ。将来の高級官僚、宰相を目指す彼のもとに、伯父である傭兵団長ガイアスバインが訪れる。その目的は、自らの傭兵団で事務長をさせることだった。彼は入団を決意し、王立大学院を休学する。しかし、そんなエリートに向けられる傭兵たちの目は厳しかった。「お前らが毎日パンと肉を食えるようにしてやる」。大勢の前で大見得を切るウィラードだったが、団の運営は想像した以上に破綻していたー。
たのしい傭兵団 4たのしい傭兵団 4
傭兵団同士の抗争に勝利し、ビムラの最大手にまで登りつめた山猫傭兵団。それは業界内の勢力図が大きく塗り替わり、大きな注目が集まることを意味していた。団員たちの生活向上のため、密かに商工ギルドに属さない商売を始めたウィラード。しかし、傭兵が自分たちの既得権益を侵食してくることを権力者たちが許すはずがなかった。ビムラ中央会議議長、エルツマイユが選んだ方法はー「本日はウィラード・シャマリ殿に、おめでたいお話をお持ちいたしました」。持ち込まれた縁談は団員たちを巻き込んでの大騒ぎを呼び起こす。なぜなら、その相手が…。
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