著者 : 末広マチ
人気脚本家で作家でもある櫛木隼は、顔出しの仕事もしている今をときめく有名人。 都会的なマンションで洗練された生活を送っていた三月のある日、そんな優雅な日常を脅かす出来事が。 遠縁であり幼なじみの円野幸宏・通称ユキが、就職活動のために転がり込んできたのだ。 人並以上に何でもできた自分とは違い鈍くさいユキを、子どものころからそばに置き、気にかけ、かばい、世話を焼いてきた隼だったが、高校卒業以来、ユキとは一度も会っていなかった。 ユキとの間には、できれば二度と会いたくはない、隼にとっては耐え難い苦い思い出があって……。 樋口美沙緒、待望の新作!たっぷり四六判で登場! 2025年3月刊
犬化症候群でポメラニアンに変身する碧はもふもふとの癒しの時間を提供するポメ派遣サービスでバイト中。そんな碧に絶対極秘の指名が来る。お客様はなんと今をときめくアイドルグループの顔面最強・クールなメンバー高遠ハヤテ!きゃひーんってビビる。なぜなら彼の大大大ファンだから。生身の推しを前に手足も毛も震える。それでもどうにか可愛い犬らしく仕事をしようとてふてふ歩いて足元で鳴いてみたら、「似てる…」と意味深に呟いた高遠にやさしく抱きあげられて碧は思わずぽひゅっと人間(裸)に戻ってしまい!?
祖母の営む手芸屋で働く羊太は、羊獣人だが外見には髪の毛しか特徴がない。癖が強く手入れをしても雨の日は湿気でモコモコに爆発して、獣人で良かったことなんて全然ない! 大好きな祖母のお店でいろんな羊毛に囲まれていれば十分、恋愛とも獣人の性質とも無縁の生活を謳歌していた。 しかしある日、従兄弟の一郎にとあるバイトの代わりを頼まれる。同じ羊獣人の彼が働くのは【添い寝フレンド ぬくぬく】--人肌寂しい夜に温もりと癒しの時間を提供する、添い寝サービスの仕事。 予約一つだけならと根負けし、訪れたホテルにいたのは、目の下に濃いクマを携えた、秀でた美貌を持つサラリーマン・犬飼光正という男だった。不眠症に悩む犬飼のため、羊太はサービスとして彼の話を聞き、横になって羊毛のような自分の髪の毛を触らせていると、犬飼はあっという間に眠りにつく。後日リピートしようとしてくれたらしいが、一日限り、もう会うことはないだろう。 そう思っていた数日後、街中で泥酔した犬飼と再会してしまう。獣人として犬飼と相性の良すぎる羊太は、彼に抱きしめられるだけで興奮してしまいーー!?