著者 : 杉山実
あらすじ 熱海の小さな高級旅館松屋で、県会議員が大浴場で水死した知らせに熱海署の刑事が向かった。 部屋に二人の客を呼び、芸者駒菊も同席で宴会を催していた。 だが、客も誰なのか誰も分からない。 同席した駒菊に詳しい話を聞いても、中々意味不明。 その後、殺人事件が連続で発生! 県警の出番が…… 数々の難事件で功績がある美優は、静岡県警では課長が出入りを許す存在で、事件の資料の閲覧も許される特権を持った刑事の妻だ。 温泉地熱海で起こる謎の連続殺人に一平と美優の活躍が始まった。
一平&美優シリーズ 2020年世界は新型コロナの蔓延で経済活動が停止し混乱していた。 美優は、数々の難事件で功績が有り、静岡県警では課長が出入りを許す存在で、事件の資料の閲覧も許される特権を持った刑事の妻だ。 静岡県警では横溝課長が転勤し、後任に静内課長が着任してきた。静内課長は素人の美優に頼る捜査を卒業しようと刑事達に通達した。 そんなコロナ渦の九月、秘境温泉に身元不明の全裸の若い女性の遺体が発見された。 その遺体はコロナに感染していた。 次々と事件関係者がコロナ感染をし、捜査は混迷を深めてしまった。 美優に頼らないと誓った静内捜査一課長も犯人逮捕に焦る。 誤認逮捕になるのか?美優の独自捜査が始まる!緊迫の駆け引き!
高校時代からの友人、由美と美由紀は卒業すると故郷・仙台を出て東京で看護師として働き始める。二人にとって東京は何でも手に入る夢のような街。いろいろ経験したい、きれいになりたい、美容整形もしたい……、ないのはお金だけだった。美由紀は夜の街で働き出し、次第にパトロンを求めて男達を渡り歩くようになる。そんな美由紀を心配する由美。あるとき美由紀は夜の仕事で一人の中年男性、廣一と出合う。禿げていて、容姿もいまひとつ、どう見てもさえないおじさんだったが、廣一は美由紀にぞっこん、お金を貢ぎ続け、旅行にも出かけるようになる。時が経ち、由美は高校時代にふとした縁があった男性と幸せな結婚をする。由美の結婚に負けじと焦り始める美由紀は、好いてくれる廣一は歯牙にもかけず、若い男との結婚を夢見て突き進む。しかし、その男は詐欺集団の一員だった。そして思いもかけない事件が起こるーー。
九州の福岡に住む春山俊介は妻帯者でありながら、接待の為に訪れたキャバクラの新人青木彩矢に惚れてしまう。 上司の紹介で見合い結婚をした俊介にとっては、妻よりも恋愛対象として彩矢は好みに近い女性だった。 生活の為にお金が必要な彩矢は、キャバクラで二三度会って、好意を持った俊介と関係が出来る。 だが妻帯者の俊介と独身の彩矢の間には、お互いが好きでも大きな溝がある。 約五年以上付き合い、彩矢も三十歳を迎え結婚に憧れる様になる。 俊介は、彩矢に恋人が出来た事を知り詰めると、彩矢は何も言わずに俊介の元を去って行った。 中年を迎えた俊介が……。 お互いの気持ちが交差する世界を描く作品。 本文「あらすじ」より
お馴染み静岡県警の野平一平、美優シリーズ 数々の難事件で功績が有る美優は、静岡県警では課長が出入りを許す存在で、事件の資料の閲覧も許される特権を持った刑事の妻だ。 晩秋の早朝、浜名湖の舘山寺温泉の近くの空き地で、一流企業の常務が毒物により車内で死亡。 自殺か他殺か?数日後連続で同じ毒物による死体が発見されて、連続殺人事件として静岡県警に捜査本部が設置された。 「お前達は夜の蝶では無い、夜の蛾だ」風俗で働いている女性にその様な言葉を浴びせている人物が被害者? 被害者の持っていた青酸化合物は、昭和三十年代に取引先が使っていた物だった。 自分が持っていた毒物で自分が死んだが、自殺では無く他殺。 美優が再び、一平の手を借りて事件を解決していく。 そこには権力とエロの世界に翻弄された人々が居た。 物語は数年前と現在が交差して進みます。 美優と一平シリーズでは過去最高の面白さ、絡み合った犯罪が複雑にするが、美優が見つけた偶然が事件を解明の方向に導く、そこには哀しい現実が待っていた。
食品業界の知られざる話、富山湾の宝石と呼ばれる白海老をテーマに、からくりと企業買収の作品。 老舗の業者、新々気鋭の企業を販売者側の人々の思惑で、翻弄されていく様を描く異色作。 この作品を読めば貴女は明日から、総ての加工品を疑いの眼差しで見てしまうかも知れません。 通販雑誌の編集記者、田辺恭子は別の取材で泊まった旅館で夕食に出された白海老に感動。 自分の雑誌に紹介しようと考える。 恭子には同じ食品業界の飲み友達が数人居て、その人達を巻き込んで白海老の販売を巡る裏の姿が見え隠れする。 築地の魚八水産の友川には、商売を通じた飲み仲間、生協の南浦咲子、ネット販売大手のバイヤー大崎、東進デパートの竹ノ内、そして通販画報の田辺恭子だ。 企業買収の裏側には想像もしない秘密が潜んでいた。
あらすじ 十年以上前、妻と子供二人を交通事故で失った結城俊郎。 寂しさを癒してくれたキャバクラの女性美羽と、数年付き合って事件を忘れる事が出来たが、別れがやって来る。 その後、定年で思い出の地に旅に行こうと東北旅行のツアーに参加する俊郎。 高速道路での事故に巻き込まれ、幸い俊郎は無傷だったが、念の為検査に運ばれた病院で・・・。 過去の楽しかった思い出と現実の恐怖、複雑に絡み合う登場人物。 運送屋の事務員水田朋子の失踪から、事件は複雑になってくる。 彼女が送った一枚の短い脅迫状が、過去の悪夢を蘇らせて、予期せぬ方向に進む。 次々と人が殺されて、仙台、高山、姫路と場所を変えて事件が発生。 管轄の異なる警察で起る事件が総て一本の線で繋がった時、遠い昔の・・・。
金井花梨は十年以上前、夫の圭太がスナックのママと浮気をし、内緒で貢いでいることを知り離婚した。 その為、スナック通いをする男たちを軽蔑していたのだが、生活の為にやむを得ずスナックで働くことになってしまう。 子どもは兄と妹の二人いるが、長男の方は夫に引き取られ、病気がちで身体の弱い妹の方は引き取って育てている。 花梨が務めるスナック梨花には、文具店チェーン社長の大藪、建設会社社長の渡辺、役所の課長補佐佐伯らが花梨目当てに通っているが、花梨は、彼らは常連客なので適当に相手をしているが、全く恋愛感情は持てない。 もっとも、大藪も渡辺も妻帯者で、佐伯はバツイチだが、梨花には最近通い出したばかりである。 離婚や夜の仕事を通して、自分と接する人たちの本当の気持ちは何? 自分の信念が正しいのか? 別れた夫圭太とその両親との複雑な関係と駆け引き、自分の気持ちとの葛藤に苦しむ花梨の姿を描く作品。
この世には我々の知らない世界が多数存在する。 安田美千代は今年六十六歳で初老を迎える。結婚相手は、若い時に惚れて惚れて一緒に成ったイケメンの男。 この男は仕事もしないで浮気をするぐーたら亭主で、早々に子供二人を連れて離婚、スナック夢を経営して、子育てをするが最近は人生の反省が多く、今度生まれ変わったらの言葉が多い。 天上界の画老童子がこれを聞いて望みを叶え様と、美千代はある日突然亡くなってしまう。 同じく釜江勝弘も毎晩酒を飲んで寂しい生活、子供と嫁に逃げられて毎晩愚痴の悪い酒。 ある日、画老童子の同僚安芸津童子が二人でゲームをして勝った方が、五日間の仕事を助ける賭けを始めて、勝弘と美千代を使った人生ゲームを始める。 ある日突然亡くなった二人と周りの人々の混乱、あの世と現世の狭間で幽霊と成って彷徨う二人の、コミカルに生まれ変わる様を描く異色作。
関西の田舎町に住む、富田豊は嫁絹子と一人息子の隆史と幸せな生活を送っていたが、高校生の時に突然発病した隆史の難病の為、家族は離ればなれの生活を余儀なくされる。 やがて一人の生活に成った親子、東京に住む息子の将来を心配する豊、豊の楽しみは毎晩のお酒だった。 妻絹子は看病の心労で他界して寂しい豊、東京から田舎町に人探しに来る老舗和菓子屋の娘、静香に興味を持った。 誰もが認める超美人、静香は豊、隆史に興味を抱く、哀れみはやがて愛情へと変化してゆくのだった。 父と息子を同時に愛してしまう静香の葛藤、行政の不備に苦しむ家族を軸に物語は進みます。 ※難病指定が最近少し緩和されている様です。 主人公が病気に成ったのが、この物語では二〇一四年より約十年前の設定に成っています。
北海道の釧路から田代彩乃、九州から下条香織も同じく、東京の看護学校にやって来た。 二人は仲良しで、学業に頑張ったが、卒業と同時に彩乃は自分の顔を整形して、綺麗に成ろうとして、先輩の児玉愛子に勧められてデリヘルのバイトを始めた。 お金が貯まると整形をして病院を変わる彩乃、看護学校時代とは見違える容姿に変貌していた。 しばらくして、下条の誘いで彩乃はKTT病院に来た。 驚く香織、二人の年齢は三十歳、結婚を焦る二人の前に上場企業の御曹司加納敏也が、スキーの怪我で入院して彩乃を好きに成る。 敏也の家庭は、真面目一筋の家庭で、風俗で働いていた事が暴露されると、破談に成る彩乃は隠すが、デリヘル時代から交際が続いていた橘郁夫とは、バイトを辞めても付き合って六年が経過していた。 露見を恐れた彩乃は、郁夫と決別して敏也と結ばれるが、嫉妬に狂う香織は彩乃の過去を暴こうとする。 その香織の行動に疑問を持った旅館の仲居吉永富子と息子明夫が、知ってしまった事が過去の事件を呼び起こす。 静岡県警、佐山次郎、野平一平、美優の活躍シリーズ
人生は偶然の積み重ね、それも一瞬の瞬きの瞬間に人生が変わる事も屡々、この物語は友人とドライブ中に事故でお金が必要に成り、風俗で短期間アルバイトをした麻由子が、偶然知り合った客に惚れられるが、目的を達成して未練を残さず去って、音信不通に未練を持った男性徹は、人生に失望の毎日、偶然十数年ぶりに麻由子の所在を知った。 麻由子は幸せな結婚をして子供の凜との平和な生活の前に徹が現れる。 過去の風俗嬢のバイトが…… 事件の発生後も偶然が次々と起こり、意外な方向に進む。 小豆島、姫路、和歌山を舞台に偶然が織りなす、緊迫の展開。 本気の男性と風俗で稼ぐ事しか考えていなかった女性の考えの異なりが、事件を複雑にしていく。
小学二年生の真中結衣は、真夜中にトイレに行って外が異様に明るいので、夏に見た花火を思い出して、家の外に出る。 隣家の放火で結衣の家も類焼で家族全員焼死、結衣は児童養護施設に引き取られる。 数年後、個人の養護施設に毎年クリスマスに来る足長叔父さんの息子、近藤悠斗中学二年は結衣に興味を持って、交際を始める。 お金持ちの少年と孤児の温かなラブストーリーが始まる。 養護施設のお兄ちゃん渋谷修平と近藤悠斗、真中結衣の涙と喜びのストーリー、錦帯橋、宮島を舞台に、施設で育った結衣とお金持ちの息子悠斗が楽しい旅と寂しい旅をする。 夢の様な話の始まりです。
地方の火傘神社は町から離れた小さな山の中に在り、正月と祭りの時期を除いては、参拝客が極端に少なく、宮司の松尾は経営の効率と参拝客増加を考えて、縁結びの神様の降臨を願い出た。 本山から降臨の神様は新米の浅宜彦、小さな祠に奉られて参拝客を待つ、正月参拝客が祠を見つけて祈る。 願い事を具体的に願い出た参拝客に、縁を結ぶのが浅宜彦の役割で、大多数の参拝客は、良い人に出会えます様にと祈る。 浅宜彦には良い人と言われても判らない、その中に地元からスターに成った佐用比奈子は具体的に、恋人堤功一に会わせて欲しい、話しがしたいと希望を述べる。 だが、この堤功一には秘密が隠されていた。 新米浅宜彦の縁結びの神としての奮闘と失敗、その中で話しは意外な方向に進む、神様と新人女優の信じられない話が始まる。
昭和五十年代の始めの頃、田宮正造は大学を卒業して通勤を始めた。毎朝乗る満員電車に最近の映画のヒロインに似た短大生に一目惚れをしてしまう。 その女子大生の名前も住所もわからないが週に三度同じ車両で会う。なかなか話す機会のない中、彼女の友人たちとの会話から桜井弘子だと判明する。 好みの男優のコンサートのチケットにラブレターを入れて、気持ちを伝えようとするが天の悪戯か? やがて二十年の歳月が流れて四十五歳の正造が見た現実は? 人は会わずに話さずに何年思い続けられるのだろう? 淡い恋心の青年の恋と愛、ストーキングと恋愛は紙一重の存在か?