女行商人・烏部隊の一員として歩みを通し、戦後の日本の女性が味わった苦難を、ユーモアを交えて描き出す「越前残照シリーズ」三部作の最後を飾る作品。
戸倉与志夫は京都の龍徳院の小僧になるが、寺院も訪ねた先輩も不甲斐なく、逃げ出て来る。両親の遺言通り床屋を継ぎ、弟の弥寿男、さらには一族の支えとなるのだが…。
運命の分かれ道は、畳の厚さを五・五センチに全国統一したことにあった…。日本の文化が大きく転換していく時代を背景に、畳刺しに命を懸けた三代にわたる畳職人の変遷を描く作品。
職業に託して世相をみつめ、人間の暮らしを介して、人間の内側を探る。一つの業界に注目し、そこでの生活の諸相を捕捉、追及する作品集。
英会話学校の講師として学資をえている主人公ジョージと、グリーン(緑)先生との関係を通して描く異文化体験小説。
偏差値教育・音楽・愛・父母…。ポップな青春小説。
中国から来た出稼ぎ労働者「興大」の踏み入れた大都会東京…。夜の繁華街で夜毎くり返される人間劇を、せつなく、ユーモラスに描いた表題作ほか三篇収録。