著者 : 村崎友
忍棚村に暮らす高校生の凌汰は、夏休みのバイトで幼馴染みたちと廃校の小学校を片付けていた。そこへ東京から2人の少女が訪ねてくる。ひとりは、6年前の一時期この小学校に通い、すぐに引っ越した「雨ちゃん」だった。凌汰の脳裏に、兄・コーちゃんと雨ちゃんと3人で遊んだ夏が甦る。コーちゃんの「事故」で思い出は悲しい記憶に変わったのだがー。再会に盛り上がる凌汰たちはそのまま廃校に宿泊し、修学旅行の夜のような時間を過ごす。しかし翌朝、幼馴染みの四條がプールに沈んでいてー。犯人の名が明かされるとき、世界は一変する。二度読み必至の青春本格ミステリ。
遅刻厳禁!明日、晴れるといいねー文化祭前夜、そう言い残した少女は、翌朝、密室状態のシャワールームで死んでいた。少女は、栢山高校バレー部マネージャーにして男子生徒憧れの的、森下栞。遺書が発見され自殺として処理されそうになる中、疑念を持ったバレー部員やクラスメイトの、真実を追う推理が始まる。立ちはだかる二重密室と若者ならではの痛みと殺意。横溝正史ミステリ大賞選考委員が奮い立った、傑作青春ミステリ。
あれ?俺は、作家の六呂田録郎だっけ?それとも、探偵の六呂田録郎だっけ?六呂田録郎は、娘と犬と暮らす推理作家。自分と同じ名前の私立探偵が主人公の推理小説を執筆している。ところがある日、「探偵さんですよね?」と声をかけられてー。しっかり者の娘に支えられた、遅筆作家の妄想的かつ私立探偵的な、愛すべき日々。
晶嶺館高校合唱部。部員2人。新学期目前の春休み。部員の葉音梢は、入部希望ノートに「中村雫」という見知らぬ名前を見つける。もしかして新入生?入学式前の不自然な時期と思うも、梢は期待に胸を躍らせるが、部長の宮本耕哉は、入部希望者じゃないと断言。しかも、卒業生、在校生にも「中村雫」は存在しない。では彼女は何者なのか?部室荒らし、消えたDVD、5年前の文芸部機関誌…四季と音楽に彩られた珠玉の青春事件簿。
栢山高校バレーボール部は、その後の進路にも関わる大事な大会で惜しくも負けてしまう。マネージャーで男子生徒の憧れの的、森下栞は、そんな落ち込む部員たちを明るく励ますのだった。しかし事件が起こる。文化祭当日、校内のシャワールームで、その栞が遺体となって発見されたのだ。現場は二重密室状態。しかも遺書も見つかったことから自殺として処理されそうに…疑念を持った部員やクラスメイトたちは、真相究明に立ち上がるがー!?第23回横溝正史ミステリ大賞で、惜しくも受賞を逃した青春ミステリの快作が、奇跡の書籍化!