著者 : 松井玲奈
【松井玲奈が4年ぶりに贈る待望の新作小説】 あの日、フィクションのような人生が始まった。 著名な劇作家・野上が主宰する劇団の新作公演初日まで、残り3週間。 晴れてヒロインに選ばれた元国民的子役のアイドル・中野ももは、 野上の厳しい指導に応えることができず、徐々に追い詰められていた。 どうにか端役を手にしたとある中年の女優は、中野ももが憔悴していく様子を気に掛ける。 そして、やってきた公演初日。 幕が上がった瞬間、二人の人生は大きく変わる! 俳優としても活躍する著者が3作目の舞台に選んだのは、「演劇」の世界。 ふたりの女性が織り成す関係は、ゆっくりと、繊細に、絡み合う。 現実にうちひしがれる絶望、強運を手にして舞い上がる歓び、突然やってくる予想外の衝撃。 幾つもの感情を抱えた先の終着点で、それぞれが決断した選択とはーー。 「演じる」とは何かを問う、唯一無二の物語。 【著者略歴】 松井玲奈(まつい・れな) 1991年7月27日生まれ。愛知県豊橋市出身。俳優・作家。 2019年『カモフラージュ』で作家デビュー。その他の小説に『累々』、エッセイに『ひみつのたべもの』『私だけの水槽』がある。本作『カット・イン/カット・アウト』が、3作目の小説となる。
2年付き合った彼氏からプロポーズを受けた23歳の小夜。自分の年齢が結婚に適しているのかどうかわからず、煮え切らない返事をしてしまうがー「小夜」。獣医の石川は、去勢手術をするたびに自分のものが切られる夢を見る。そんなある日、友達以上恋人未満の女性とラブホテルへ行くことになりー「パンちゃん」。恋愛シミュレーションゲームをプレイするがことごとくパパ活を繰り返す星野は、これまで出会ったどの女の子とも違う、女子大生と出会うー「ユイ」。他、「ちぃ」「小夜」を収録した、著者初の連作短編集。