著者 : 松尾清貴
四歳の頃に神隠しにあった犬江親兵衛が、ついに姿を現した!霊玉の力を味方につけた親兵衛は、蟇田素藤に囚われていた里見義通を救出する。しかし、妖術をあやつる謎の比丘尼妙椿は、素藤に加担して、巻き返しをはかろうとする。野望と怨念が渦巻くなか、里見家の命運は…?物語はいよいよ八犬士の集結へと向かう。曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」を原作として、現代の読者にわかりやすい言葉で小説化。
目が見えなくなった犬田小文吾のもとに忍び寄り、刃を向ける女が…。犬川荘助は、かつての刑場破りを裁かれ、死罪に!?盗人だと誤解された犬村大角、犬飼現八は囚われの身に。その窮地を救うのは…。仇討の好機がめぐってきた犬阪毛野、そして犬山道節は、ついに宿願を遂げる?犬士たちの波乱に満ちた冒険はつづく。
ささやかな幸せなど、浦から離れられん跡取りたちにくれてやれ。宝暦十三年(一七六三)、周防国の小さな海村で、二人は出会った。廻船屋敷の二男坊と、網元の末っ子ー長男が家を継ぐと決まっていたその村で、跡取り以外は皆「厄介」と呼ばれた。日本初の巨大沈船引き揚げに挑んだ男の生涯ー。
荒芽山の隠れ家を襲撃され、散り散りになった五犬士たちー犬田小文吾はひとりの道中、あらぬ嫌疑をかけられ、幽囚の身になってしまう。しかし、そこに美しい女田楽師が現れ…。犬士たちそれぞれの行く手には、不思議な巡り会いが待っていた。曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」を原作として、現代の読者にわかりやすい言葉で小説化。
芳流閣の屋上から墜落ー気がついたとき、犬塚信乃と犬飼見八は江戸湾をのぞむ行徳村に流れ着いていた。そこで、力自慢の大男・犬田小文吾との運命的な出会いが待っていた。追われる信乃を、我が宿屋に匿う小文吾のもとに、押し掛けてくる者たち…。窮地に立たされた犬士たちを救う、思いがけない秘策とは?原作のストーリーを忠実に再現しながら、現代のことばで読みやすく小説化しています。
時は室町時代ー戦乱のなかで頭角をあらわした里見義実は、安房国の領主になった。しかし、城攻めの窮地に追い込まれたとき飼犬の八房にむけた一言が禍となって、娘の伏姫の身にふりかかる。伏姫の数奇な運命と、そこから生まれた八犬士たちの物語がはじまる…
関ヶ原合戦から十四年ー。世に天下の智将と謳われた真田幸村は、かつての名望とは裏腹に素顔は凡庸で、豊臣家からの挙兵の誘いも重荷でしかない。そんな偽りの名将に、抜け忍の猿飛佐助がとんでもない企てを持ちかけた。「おいらが策を授けて、あんたをホンモノにしてやる。真田幸村の名と命、おいらに担がせちゃあくれねえかい?」“幸村に仕える無双の家来衆、真田十勇士”の評判は広まり、いよいよ真田丸の死闘の火ぶたが切られる。-狙うは家康の首!戦国気風が残る世を、十人の勇士が暴れまわる大興奮エンタテインメント。“新・真田小説”の決定版!
大正十四年十月、「私」の祖父が住む秩父郡峰伊那村でダムが決壊、「波多野岬」という名の少女が犠牲になった。翌年私は、祖父の家の納屋で、祖父に宛てられた少女の手紙を三通見つける。最初の一通には未来・過去・現在を定義する「クラウス曲線理論」なる小文が綴られており、別の一通にはダムの底に「答え」があると書かれていた。少女の死にこだわった私は、少女と同じ名を持つ「間中岬」とともにダムへと向かう。すべての「語り」は「騙り」に過ぎないのか?驚きの結末を用意するミステリ表題作と、近代文学の香り漂う青春小説「簡単な生活」の二編を収録。
「五二物(質草)」に紛れ込んだ幻の宝石ーシン、ヒロ、ケイタの三人は、その石があるという高級質店「K」に忍び込み、一儲けしようと企む。だが、その質屋のオーナーは、違法薬物を常用し、また、たびたび暴力事件を起こすなどヤクザ顔負けの危険人物だ。一方、五年前、違法薬物の過剰摂取で娘を亡くした刑事の君島総一郎は、睡眠薬自殺として「処理」された事件の真相を、県警本部の木戸誠とともに執拗に探っていた。その途上、「K」にたどり着く。シリーズ60万部突破『偏差値70の野球部』の著者による、ノンストップ犯罪ノベル!書き下ろし映画化原作。
帝国陸軍から秘密組織・水曜会に召喚された日下伸之博士は、中佐・月島寿三郎の出迎えを受ける。会食の席から月島は、天皇の万世一系を脅かす不穏な発言を始め、大衆支配の新たな方法を提示する。半世紀以上後、都内を流れる河川から異常死体が次々に上がる。どれも腹部を裂かれ、内蔵を抜かれた後に再び縫合され、遺棄されていた。被害者の共通点はHIV陽性。だがキャリア刑事・代峰サチは、二つ目の共通点に気付いていた。矢先、五番目の現場で唯一の物的証拠を見付けたサチの後輩・砧マリコが失踪する。過剰な情報がもたらす現代の空無を描く驚異のミステリ。
あるもンしかねエんだ。進歩も進化も関係ねエのよ。エレベーターはなくても階段はあった。階段があっても梯子はあった。それもなければ二階屋がねエよ。そう言うことだ、わかるか?人類の進歩じゃアねエのさ。飛行船ってのがいっとき流行ったなァ。空を飛んだらどうだッて言うんだ。飛ばなくたッて人間は生きていける。それがあるのはどうしてだ。理由なんてねエよ。ただあるのさ。なくていいものでもあるからあるんだ。だから大事なのは、それをだれが造っただとか人間の業だ叡智だかが素晴らしいとか、そんなことじゃアねエ。そこにあるそれはなんなのか、ッてことだ。ないものをあるように見せかけるのは馬鹿げてやがる。だがあるものをねエッていうのはもっと馬鹿げてる。わかるか?(本文より)。超新星登場!驚愕仰天のデビュー作。