著者 : 松木麗
少年被疑者少年被疑者
「満月の夜は死人が出る。だから、怖くて外を歩けない」彼が学校で書いた詩の一節には、事件の核心に触れる重要な意味が秘められていた。北陸の一都市を震撼させた幼女殺害事件は、その中学生の逮捕によって、一気に解決したかにみえた。K地検に赴任したばかりの検事・有本祥子は、ふとした疑明から事件の底なし沼のような闇の奥へと引き込まれていく…。検察庁、裁判所の機構や制度、少年刑事手続き等の現場の臨場感あふれる筆致、読みごたえある情報量。抒情とサスペンスに満ちた傑作ミステリー・ロマン。
紫陽花の花のごとくに紫陽花の花のごとくに
夫殺しを自首してきた妻。おしどり陶芸家と言われた夫婦に何が起こったのか。紫陽花釉を得意とする美貌の被疑者に魅せられ、その過去を追う検事の前に、やがて宿命にも似た真実が姿を現す…。
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