著者 : 松永弘高
大坂夏の陣で豊臣家が滅亡してから四年後の元和五(一六一九)年、福島正則が無断で居城・広島城を修築したというしらせを聞き、二代将軍徳川秀忠は激怒する。秀忠は江戸にいた正則を幽閉、福島家の改易を決断した。国元の福島家臣団は反抗の姿勢をしめす。「天下大乱の火種を消すべし!」。福島家謀反の影響が他藩に及ぶことを恐れた秀忠の大号令により、八千余におよぶ城請取の軍勢が広島に向かう。やがて城の守りを固める福島家中の強者たちと一触即発となるがー。いまだ戦国の残り火がくすぶりつづける徳川幕府黎明期に起こった福島家改易の真実に迫る、書き下ろし長編時代小説。
慶長五年(一六〇〇)夏ー。徳川家康と石田三成の対立は決定的となり、一触即発の様相を呈していた。反徳川の急先鋒である上杉景勝を討つべく家康は会津に向かう。利にさとい伊達政宗は伊達家の将来を家康に賭け、秀吉に愛娘・駒姫を処刑された最上義光も東軍へ与する。上杉家の重臣・直江兼続は、豊臣秀吉の恩顧に報いるべく、三成に呼応して西軍の旗を掲げる。やがて、“東北の関ケ原”とも呼ぶべき大合戦の時が近づいていた…。伊達政宗、直江兼続、最上義光という奥羽を代表する三人の武将の視点で、関ケ原合戦とほぼ同時におきていた奥羽の争乱をダイナミックに描く書き下ろし長篇歴史小説。
時は戦国時代。出雲の山奥で、幻の鋼づくりを代々継承してきた家の跡とり・伍介。乱世の中で己の無力を噛み締めた青年は、村を守る力を得るため、侍になるべく一人旅立つ。劇団EXILE・青柳翔主演、モントリオール世界映画祭で最優秀芸術賞受賞の映画を完全ノベライズ。
慶長二十(一六一五)年五月七日ー真田幸村は、死中に活を求めて家康本陣めがけて攻め込んだ!己の死に場所を求めて奮戦する猛将・後藤又兵衛、大坂方最後の砦・毛利勝永ら強兵どもと、対する徳川方の独眼竜・伊達政宗、戦の寵児・水野勝成、家康の外孫・松平忠明ー。第六回朝日時代小説大賞優秀作『決戦!熊本城』で大注目の新鋭による書き下ろし長篇時代小説。