著者 : 林泰広
殺人鬼を追って日本から遠く離れたこの国に来た名探偵の君と相棒の俺。敵の使う治療手段のない毒で意識を失った君を連れて日本人数人で逃げ込んだのは、中世の古城に隠された五つの部屋「空中牢獄」だった。そこは、十六世紀の貴族・ドウによって恐ろしい不死身の魔物が召喚された場所だ。魔物は無敵で、不老で不死身だが、部屋に封印されていて部屋の外には出られない。その魔物が俺たちの前に突然現れた。瞬間移動のように消えては現れる魔物に、一緒に空中牢獄に入った人間が次々に殺されていく。俺は君を助けられるのか?魔術師・林泰広が仕掛ける空前絶後のマジック・ミステリ。
新川綾が事故に遭い手術をした。綾には幼い娘・青葉がいるが父親である新川昭男は仕事でまったく連絡が取れない。青葉の叔父、秋山礼人は新川が重役を務める会社「ブッシュワッカー」に行くが、社長の城之内は新川への連絡自体を拒否する。絶対的独裁者の会長・座主の命令で、会社の地下の巨大な密室と化した迷宮で何かが行われており、新川はそこにいるらしい。すったもんだの末に、中に入ると、五人の男女の遺体が発見された。そして密室の中の密室、外側から鍵のかかったコンテナから、唯一の生存者が発見された。この事件はいったい何だったのかー秋山は独自に事件の再検討を行うが…。奇才が仕掛けるトリッキーな罠、罠、罠。真相に呆然となる野心溢れるミステリーの傑作!
インドの森の奥深く、僕の目の前の老婆は突然語り始めた。その声と言葉は、自らの不可能な死を語るカメラマン「ウィザード」のものだった。飛行船の闇の中、彼に死を与えるために来た美しい少女と、見えることしか信じない彼の戦いが始まる。彼の武器は鋭利な頭脳、巧妙な論理の罠。だが、彼の罠を次々に突き破る少女の論理と見えない精霊の力。大胆に読者に突きつけられる質問状、あなたは解けるか?