著者 : 椎名さえら
侯爵令嬢のシエナは幼い頃からの婚約者である第二王子のライリーが大好きだった。しかしある日突然、ライリーから「君との婚約を破棄する」と冷たい表情で宣告される。彼の隣にはシエナの幼馴染であるイモージェンが嬉しそうに微笑んでいて…。でもその指に見たことのない怪しげな指輪を嵌めていることにシエナは気づいてしまう。そのままライリーの親友である公爵令息ネイサンの屋敷に預けられることになるが、傷心のシエナのもとに、毎日のように異なる花が届けられてー。ライリーが『魅了』の魔法に掛けられているのではと疑っていたシエナはその花を見てある確信を持ち、魔法を解く方法を調べ始める。そして国王陛下の誕生を祝う夜会の日、シエナは決意と共にある策に打って出るー!大好きなライリーを救うため、そして自分の愛を決して諦めないために!
幼馴染から婚約破棄されてしまった貧乏子爵家令嬢のセシリア。家族のため、没落を免れようと模索していた矢先、領主の娘の身代わりとして、国の英雄の相棒だった元竜騎士エリアスと婚約するよう命じられる。変わり者と噂されながら隠遁生活を送る彼のもとに向かうと、出迎えたのはーボサボサ頭に無精髭の大男!?不遜な態度で「婚約者はいらない。俺付きのメイドになれ」と言われたセシリアはお屋敷で働くことに。臆せず彼に接するセシリアに「お前、俺が怖くないのか」と詰め寄っていたエリアスにも徐々に変化が…。そんな中、セシリアたちは領主から突然呼び出される。
王都に住む子爵令嬢・クラリスは、「ファーレンハイトの宝石」とも称される美しい姉と常に比較され、家族に虐げられ、目立たないよう陰で生きてきた。 クラリスが十九の歳、「人食い辺境伯」と呼ばれるジークフリート・グーテンベルグの戦果の褒賞として姉の身代わりで嫁ぐことになる。 ところが辺境伯ジーンは、無口で無表情ながらもクラリスを思いやる、包容力に溢れた魅力的な人物だった。 しかし「身代わり花嫁」であることに負い目を感じるクラリスは、なかなかジーンへ心を預けられないでいた。 そんな折、王都より姉の結婚の知らせが届き、ジーンと王都に向かうことになるのだが……。 実はクラリスの生家には重大な秘密があり、さらに、ジーンとの婚姻のいきさつも知っている事実とは違っていて!? 不遇の令嬢が辺境の地で最愛の人と幸せになる王道ラブファンタジー!