著者 : 榎本憲男
つながれ、ユーラシア!資本主義をバージョンアップせよ!市場の「空気」までも読み取り、国家予算に匹敵するビッグマネーを生み出す人工知能「エアー」。唯一の認証権を持ち、福島の帰還困難区域にデジタル通貨「カンロ」を流通させ特別自治区を実現させた男が、カナダ、中国、ロシアへと飛んで、世界の再編を目指す。一気読み必至の痛快経済アクション小説。
国際的な投資家・鷹栖祐二を刺殺した容疑者は、かつて渋谷の街でLSDを散布した新興宗教「一真行」の元信者だった。一種のマインドコントロールが疑われ、国家総合安全保障委員会(NCSC)兵器研究開発セクションの井澗紗理奈と、テロ対策セクションの弓削啓史が調査にあたることになる。2人は、和歌山にある一真行本部の近くに住む心理学者、山咲岳志のもとに向かう。事件の背後に隠された恐るべき謀略とは?“巡査長 真行寺弘道”“DASPA 吉良大介”の人気作家が、沈みゆく日本を舞台に描くサスペンス巨篇。
「令和」初の総選挙当日ー。首相の経済政策を批判する新党が議席を伸ばす。古参の捜査一課ヒラ刑事・真行寺が飲んでいると、「令和令和とはしゃぎやがって!」と怒声が響く。騒ぎに巻き込まれる真行寺だが、この時はまだ、自らが日本経済の裏を覗き見るハメになるとは知る由もなかった…。マニア激増中の警察小説シリーズ第四弾!
モデル事務所に所属していた十七歳の少女・麻倉瞳が誘拐された。五十代ながら捜査一課ヒラ刑事の変わり種・真行寺弘道は、評論家デボラ・ヨハンソンの秘書を務める瞳の母に接触。鑑取りの結果、誘拐犯の標的はデボラであり、その要求が前代未聞のものであることがわかったがー。最注目の警察小説シリーズ、待望の第三弾!
真行寺弘道は、ある理由から出世を拒否し、五十三歳ながら捜査一課のヒラ刑事だ。荒川沿いを流す真行寺は捜査員たちに出くわす。河川敷で変死体が発見されたという。やがてこの死体はインド人男性であることが判明。その死に事件性を感じた真行寺が、インドを専門とする若き研究者・時任の協力で捜査を進めると…。痛快娯楽大作第二弾!
ベテランの捜査一課ヒラ刑事・真行寺は、介護施設で起きた死亡事件の捜査中、自称・ハッカーの黒木と親しくなる。続く元警察官僚の議員変死事件で、背後に蠢く巨大組織の臭いをかぎ取った真行寺は、黒木の力を借り真相に迫るがー。ゲノム編集など幅広くリアルな知見に裏打ちされた、圧倒的なスケールの痛快娯楽大作登場!文庫書き下ろし警察小説。
新国立競技場の工事現場で中谷は不思議な老人と出会う。老人は肉体労働に向いておらず仕事をクビになるが、現場を去る直前、大穴馬券を中心に託す。老人が姿を消した直後、工事現場では爆破事件が起こり、馬券は見事的中する。五千万円の大金を手にした中谷の前に、再び老人が現れ、彼が開発した市場予測システム「エアー」の代理人として、日本政府との交渉にあたるよう依頼される。「エアー」は人間の感情を数値化して、完璧な市場予測を可能にするもので、政府が握るビッグデータをインプットすることで、国家予算を潤すほどの巨額な利益をもたらすものでもあった。
「あの人は本気で資本主義をもう一度まともにやりなおそうとしているのだ」新国立競技場の工事現場で知り合った謎の老人と元原発作業員の青年。老人の開発した、感情を数値化する完璧な市場予測システム「エアー」は日本政府に無償供与される。老人の代理人となった青年は見返りとして福島の帰還困難区域を経済自由区にすることを政府に要求する。「カンロ」という電子マネーを流通させ、うち棄てられた土地で始まった未来の理想社会への試みの結末は…。
賢は大学で映画研究会に属している。四年生の賢が監督で映画を撮ることになり、ヒロインには同じ映画研究会の杉崎莉沙が選ばれる。莉沙も実は監督志望で、賢が書いた脚本をめぐって、ふたりは言い争いとなるが、撮影は進む。莉沙の最後のショットを残して、彼女が交通事故に遭い死んでしまい、映画は頓挫する。一年後、賢は莉沙にそっくりな女性を見かける。声をかけ話を聞くと、莉沙の双子の妹の洋子だった。賢は洋子を起用して残されたショットを撮影し、映画を完成させようとするが、一年ぶりに集まったメンバーは、そんな賢に途惑いの表情を見せるのだった。