著者 : 永井宏
夏みかんの午後夏みかんの午後
美術作家であり、エッセイや詩を数多く残した永井宏さんは、数編の愛すべき小説も残していました。本書は2001年にサンライト・ラボから出版されて以来、静かに読まれ続けてきた作品の復刊です。主人公は何かが始まる予感を胸に、東京を離れ海辺の町、葉山で暮らしはじめたばかりのフードスタイリスト、志田エリ31歳。大都市と郊外、何かに追いかけられるような時間と、手を動かし、ものを作るささやかな生活……自分の価値観を誇りに海辺に暮らす人々と出会い、少しずつ解放され新しい時間を生きはじめた女性の姿を描く短編小説。「砂浜とボート」を併録。初版から20年以上の時を経て、なおこころに響く海辺のフォークロアです。 巻末には永井さんのワークショップに参加していた小栗誠史さんのエッセイを収録。 夏みかんの午後 1 海辺はいつもいい天気 2 波の上の散歩 3 イルカのキス 4 海辺のフォークロア 5 ハードハウス 6 バック・イン・タウン 7 夏の宿題 8 夢の庭 9 ニュー・ムーン 砂浜とボート 永井さんは文化の入口 小栗誠史
雲ができるまで雲ができるまで
カフェ、雑貨、花、絵画、オブジェ…優しさと親しみをこめて生活やアートに接しようとする人たちの集うサンライト・ギャラリー。新しいフォークロアを求め、都会を離れ、海と山に囲まれた湘南に暮らしはじめた人たちの喜びと失意の日々を描く、待望の短編小説集。
海を眺めていた犬海を眺めていた犬
眩く光り輝いて見えた過ぎ去りし日の夏の記憶。海は永遠にうねり、夏は決して終ることはなかった…。海と海辺に生活する人々と動物たちに限りない親近感を寄せて流れるように綴った掌篇小説群と散文詩。
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