著者 : 浅ノ宮遼
情無連盟の殺人情無連盟の殺人
徐々に感情が失われていく病「アエルズ」に罹患した、元麻酔科医・伝城英二。空腹は感じるがそれを不快には感じない。うまくもまずくもないので、食べ物にも興味がなくなった。ファッションや人間関係についても同様だ。毎日同じ料理を食べ、人付き合いも最低限にして暮らしていた英二はある日、アエルズ患者八名が共同生活を送る“情無連盟”から加入の誘いを受ける。だが英二が泊まりがけで見学に訪れていたさなか、連盟員の一人が殺害されてしまう。不可能状況下、しかもあらゆる欲求を失い、怒りも悲しみも感じない「情無」たちが集う屋敷で、なぜ殺人事件は起こったのか?現役医師であり、ミステリーズ!新人賞受賞作家である著者が相棒・眞庵と共作した、本格犯人当て長編。
監獄舎の殺人監獄舎の殺人
「ミステリーズ!新人賞」から、これまで数多くの才能が登場してきた。圧倒的な筆力で恐怖と謎を描く美輪和音。緻密な構成と奇抜な設定で魅せる近田鳶迩。軽妙な語り口で贈るユーモアミステリの新星・櫻田智也。医療ミステリの新たな書き手と期待される浅ノ宮遼。端正なロジックが冴える時代ミステリの旗手・伊吹亜門。新鋭五人の輝かしい出発点となった作品を一冊にして贈る。
片翼の折鶴片翼の折鶴
医科大学の脳外科臨床講義。第一回目だというのに、初老の講師は意外な課題を学生たちに投げかけた。患者の脳にあった病変が消えてしまった、その理由を考えてみろというのだ。学生たちは推論を重ねていくが一向に正解にたどり着けない。しかし、西丸という学生ただ一人が、その意外な真相を導き出すー。選考委員が絶賛した第十一回ミステリーズ!新人賞受賞作「消えた脳病変」ほか、臨床医師として活躍するその後の西丸の姿を描いた四編を収めた連作ミステリ集。現役医師が贈る、“臨床探偵”西丸豊の静かな推理。
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