著者 : 涼暮皐
騎士ラミ・シーカヴィルタと神子エイネ・カタイスト。幼馴染みの二人は、滅びゆく世界を救うための旅に出た。 歴代の神子にのみ完遂することが出来ると言われる救星のための試練ーー「十の天命」。数百年かけて未だ六つしか達成されていないそれを、残り全て二人で成し遂げると息巻いて。 しかし、神子の旅は、「命を犠牲にして天命を一つ達成する」という二人にとって最悪の結末だと遥か昔から決まっている。 それでも、二人は、二人ならば運命にあらがえると信じていた。 ーーこれは、最愛の少女を喪い、彼女の命と引き替えに生きながらえてしまった少年の、愛と希望の物語。
救世の騎士、ラミ・シーカヴィルタ。最愛の女性を目の前で喪い、彼女の命と引き替えに生き延びて「しまった」男。 かつて共に世界を救った少女・エイネと同じ「神子」の資格を持つキトリー・シリーと出会った彼は、神子でありながらその力を発揮出来ないキトリーの師匠として、再び彼女と旅に出る。 常に明るく、世界を救うことを信じて疑わないキトリーを、時に優しく、時に厳しく、先輩として導くラミ。 しかし、ラミは知っている。真に世界を救うにはーーキトリーの為す「救星」をこの手で阻止せねばならないことを。 これは、一人の死に損ないが、真に英雄となるための物語。
盤状都市クロノスエンドで困っている人々を助ける日々を送るユッカ・ラーティカイネン。ある日、彼の元にルナと名乗る少女が訪ねてくる。彼女は地下組織の一員で、自分の個人的な依頼を受けて欲しいのだ、という。テロの片棒を担ぐ気はない、と断るユッカ。しかし、彼女の生い立ちー街を支配する組織・“時計塔”の研究所で保護され、それ以前の記憶が無いーを聞いてしまったことで、仕方なく彼女を手伝うことに。ところが、彼女の過去を探す中で、“時計塔”に所属する最強の能力者たちが二人の行く手に立ちはだかりー!?