著者 : 湊ナオ
イノセント・ツーリングイノセント・ツーリング
十年後の夏、またここに来ようね。この南紀の風のなかを、一緒に走ってみたいー。若くして命を落とした親友の夫と、その息子と、大学時代に親友と走った紀伊半島のツーリングに出かけた。彼女をしのぶため、ひとり親で育った息子が母を新たに知るため。コロナ禍で何もかも変わった。変わらざるをえなかった。リセットするにも、調子を取り戻すにも、記憶の底に埋めてしまっていた彼女との約束を、今こそ果たしたい。みーんな元気の在庫がなくなった。でも、だから…感染予防は万全に、四泊五日の物語。
東京普請日和東京普請日和
建築設計事務所で構造設計に勤しむ田口郁人は、生まれ故郷の名古屋支社から西新宿の本社に異動を命じられて仕事漬けの日々。ある日、陶芸作品が現代アートとして海外で高く評価されている兄が上京し、五輪を控えた街並みを見て「日本はまだ普請中」とからかう。郁人は兄に振り回されるばかりだが、やがて…。登場人物のスリリングな会話が読む者の胸にグサグサ刺さる、まったく新しいお仕事小説!第11回日経小説大賞受賞作。
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