著者 : 牧村僚
東京・西新宿にある私立漆原学園高校で数学教師をやっている狭間。同じ高校で体育を教えていた妻の弓子が、ダンスルームで、レイプされたうえで絞殺された…。弓子には悪い噂が流れ、そのせいで離婚話も出ており、疑いを向ける人間もいた。しかし狭間には犯人の見当はついていた。寄付金などで入学が許可されるF組。その中の不良生徒四人が妻を殺したに違いない。このうちの三人は妻の弓子に迫っていたのだ。思ったことを所轄署である新都心署の刑事に告げ、実際に四人は警察に呼ばれるが、やがて釈放されてしまう。彼らに対する憎しみは強まり、なじみのショットバーで親しくなった老紳士が、やつらに大事な家族を殺されたと告白してくる。そして、ついに自分自身が彼らに死の恐怖を味わわせてやろうと決意するが…。
意中の未亡人をものにすべく、箱根の別荘に招いた還暦過ぎの男が、清楚で気品溢れる彼女の意外な一面をうかがい知ることになる(「鬼縛り」)。旅館の若女将から、知り合いの娘の身に起こっているある出来事について相談を受けた官能小説家が、奇妙で淫猥な事件の真相に迫る(「月影亭擦淫事件」)など、第一線の人気作家による書き下ろし官能アンソロジー。
不動産業を営む男が老獪な不動産王から土地を売ってもらうのと引き替えに、渡された風変わりな色合いの下着に見合う女性を用立てるべく奔走する(「その色の名前も知らない」)。黒だけを使った独特の油絵で評価を得た画家の作風の裏には、今も変わらぬ高校時代の恩師への恋慕があった(「彩りを持たない矢崎はじめ」)など、第一線の人気作家による書き下ろし官能アンソロジー。
奔放な若いクラブホステスとのセックスを楽しみながらも、亡くなった知人が面倒を見ていた淑やかな熟女に恋い焦がれる還暦近い男の姿を描く「雪の肌」。自宅マンションの地下で何者かに強姦された主婦が、被虐の奴隷と化していく「トランクルームの女」など、第一線の人気作家による書き下ろし官能アンソロジー。
一度関係を持った女性に違和感を覚え、その源を探るべく、再びの逢瀬を約した男が性愛の深淵を覗き見ることになる「淫欲溢れてやまず」。恋人とベッドを共にしていても、少年の頃から憧れていた義姉の姿に思いを重ねてしまう男の情欲を描く「死んでもいい」など、第一線の人気作家による書き下ろし官能アンソロジー。
販売成績トップの営業マンである笹木祐一は、独身ながら社内に肉体関係を結ぶ人妻もいて、充実した日々を送っていた。そんななか、高校のテニス部の同窓会に出席した祐一は、初体験の相手である先輩をはじめ、魅惑的な人妻となった同級生や後輩の女たちと再会し、次々と体を重ねる。しかし祐一の心の片隅には、常に憧れの女性の存在があった。長編癒し系エロス。
欲求不満の人妻、ミニスカートがまぶしい女子大生、美しき母とその娘。魅惑的な女性たちがタクシーに乗車したとき、情欲の炎が燃え上がり、秘めやかな情事が繰り広げられる。会社をリストラされ、タクシードライバーに転身した男の甘美な日々を描く、長編癒し系エロス。
高校教師の杉本康介は兄・駿介の妻である美里に密かな憧れを抱いていた。兄が事故で亡くなって二年、康介の懊悩は増すばかりだったが、美里は独り身の康介を案じ「婚活」を勧めてくる。美里が勤める結婚相談所に入会し、そこで出会った魅惑的な女性たちと体を重ねていく康介だが、美里への思いは断ち切り難く…。長編癒し系エロス。
夢のない人は嫌い、と恋人に言われたことから、片桐慎也は大学卒業後、ミュージシャンを目指す決心をする。芸能プロに準社員扱いで入った慎也にとって、雑務や営業活動に加え、得意先の女性と身体を交えるのも重要な仕事の一つとなる。肉弾接待のほか、毎朝濃厚な性的サービスをしてくれるデスクや所属タレントと肉体関係を結ぶ慎也だが、いつも心には音信不通となった恋人の影が浮かんでいた。長編癒し系エロス。
短大の准教授である竹田雄一は、教え子の一人、本木絵里奈に密かな恋心を抱いていた。バツイチのうえ、歳の差があって交際は無理だと考えていたが、理事長から雄一に、学生が風俗店で働いているという噂の調査をするよう指示が出されたことから事態が一変する。絵里奈が風俗店でアルバイトをしていたのだ。長編癒し系エロス。
東京・江古田ー三つの大学が集まっている学生の街。喫茶『カルチェ』はそんな街の片隅にある小さな店だ。かつてシンガーソングライターを目指していたマスター、朝倉のいれる美味いコーヒーと居心地のいい空間を求めて集う学生たちや編集者、昔のバンド仲間たち。そこには切ない別れや予想外の出会い、そして熱い想いがつまった一晩限りのセックスがあった…。70年代終わり。学生街の喫茶店を舞台に繰り広げられるノスタルジック官能の最高傑作!
大学院生の大森直人は、同じ研究室の後輩で性に奔放な佐山利香と付き合っていたが、キャンパス近くの弁当屋で働く人妻杉村裕美を一目見て以来、叶わぬ恋に胸焦がす日々を送っていた。一方、控えめな直人の視線に気付いていた裕美も、満たされぬ夫婦生活に悩み悶々とする毎日。互いに惹かれあう二人の距離は次第に近づいていき…。抑えきれない男女の欲望が迸る長編ふとももエロス。
10歳で性に目覚めて以来、ずっと七つの年上の姉・智代を女として意識してきた中学教師、水木祐介。妻の友実も姉に似ているから結婚したほどだ。長い間、禁忌の想いを一人でかかえてきた祐介だが、教え子の母親や同僚の女教師など、息子たちの淫らな視線を感じ同じように近親姦の妄想をいだく相手が現れ、予行演習セックスをするようになる。そんな折、姉の夫が急死。傷心の姉の喪服姿に、祐介の積年の欲望はついに…。