著者 : 琴乃葉
レオンハルトとの婚約と、ワグナー家の当主としての叙爵が決まったリディ。婚約者でありながら引き続き雇い主と侍女という二人の距離はなかなか縮まらないが、夜会で出会ったレオンハルトの従妹・エステルの登場で、リディの心は揺れる。彼女には、レオンハルトからの恋心を素直に受け止められない事情があった。 王都では、怪しい媚薬や美術品の贋作を扱う悪徳商人の暗躍が噂されるなか、リディはとある無名の画家が遺した絵画に価値を見出し、その謎と向き合うことに。 機転と審美眼で自らの未来を切り開く派遣侍女が、最後につかみ取る幸福とはーー!?
街の派遣所から王城の給仕係として派遣された、元男爵令嬢のリディ。お給金ぶんはきちんと働くが、「地味で目立たずほどほどに手を抜く」のが信条だ。 しかしある日、隠していた語学力が外交官である侯爵・レオンハルトに見抜かれ、直接雇用で彼の仕事を手伝うことになる。追加の報酬に惹かれて始めた兼業生活だが、同僚からの嫉妬やトラブルが降りかかり、リディの日々は平穏とは程遠いものに。 ピンチのたびに駆けつけ、助けてくれるのはいつもレオンハルト。彼に感謝はするものの、注がれる甘い視線の意味には全く気づかずーー!? プロローグ 1.契約期間はあと一ヶ月 2.ダブルワークの弊害 3.異国の要人 4.夜会と星座 5.葡萄酒とリディの秘密 6.イヤリングが暴いた真実 7.子供時代の夢と約束
ジルギスタ国の薬草研究者であるライラは、同じ研究所の婚約者や妹に「雑用係」と罵られ、重ねた努力を誰からも認められない日々を過ごしていた。挙句の果てには婚約破棄まで言い渡され、研究所を去ることを決意したライラ。そんな時、隣国で研究者をしているというアシュレンに出会う。「ここで愛を囁けばロマンティックなのだろうが、俺は貴女をスカウトしに来た」その誘いに希望を見出し、アシュレンの研究仲間として隣国に渡ったライラ。そこで充実した日々を過ごすうちに、二人の心は変化し始め──?