著者 : 田中光二
元処刑捜査官の北条貴は、国際警察刑事機構の助っ人としてバンコクへ飛んだ。そこのチャイナタウンで、かつては権力者の圧政から中国の民衆を守る互助組織であった三合会が、犯罪組織へと変貌し世界に進出していた。北条に組織から、彼の仲間の耳が送られてきた。明らかな宣戦布告に、貴はすべてを覚悟して、単身、今もっとも不気味な中国マフィアの本部へ乗り込んだ。
一匹狼の処刑人・北条貴は、国際刑事警察機構に協力させられることになった。天性の殺し屋であり、S機関のナンバーワン・スイーパー氷見子が、機関の幹部を殺してアメリカに逃亡したのだ。彼女は、アメリカである秘密結社に荷担し、想像を絶する悪夢の計画を進めていた。かつて貴を養成したS機関は、UNPODと手を結んだ!人気シリーズ飛躍の第十弾。
動物保護NGO(INCA)の特殊工作員ハッチこと蜂須賀林太郎は、今までに何度も修羅場をくぐり抜けながら、絶滅寸前の希少動物を発見、保護に成功してきた。彼の凄腕とツキを買ったのが、インド洋モーリシャスのホテル王。その依頼は、古代に死に絶えたといわれる体重20トン、全長25メートルの怪物ザメ=メガロドンの生け捕り。海神をも恐れぬ未曾有の「ビッグM」捕獲大作戦だ。史上最強の生き物を標的にしたハッチは…。
茶川市は清水と焼津の中間にある人口五万の中都市である。真矢裕司は茶川署刑事課強行犯係の刑事だが、強盗殺人放火の凶悪事件の発生を報らせる電話でたたき起こされた。被害者は有名絵画の収集家夫婦で、金庫からは三百万円が紛失していた。犯罪の世界にもある種の波動があるのか、月齢によって発生数が増加するという。頭痛止めの睡眠薬をのんで疲れた体に熱いシャワーを浴びて、柔道三段、剣道二段の肉体を整えて現場に直行した。酸鼻な死体を前にして、真矢は不吉な予感にさいなまれる…。狂気の犯罪深層を暴く衝撃作。
恋人を暴走族に殺られた白バイ乗りの北条は、奴らに復讐する気はないかとある男に誘われ、S機関なる組織に入った。そこは司法手続き抜きで極悪犯罪の容疑者を断罪処刑する、闇の捜査官を養成していた。ところが、“掃除人”として仕上がった彼は、入会の経緯が機関の仕組んだ罠であることを知り、一匹狼として組織をも敵に回すことになった。好評「処刑捜査官」シリーズ。
デュランは乱れた世に破邪の剣をふるうべく霊界から選ばれた戦士だった。霊剣ギラムの力で、ハイベリア平原を平定したが、妖艶な妻ゼノビアに裏切られ、殺された。そのデュランが復活し、再びハイベリアに現われた。永遠の敵の魔道王ダイの機械竜を撃破し、ゼノビアを成敗したのも束の間、デュランと舞子はダイの魔術で航時機にとじこめられた。そこで舞子が見た秘密とは。
ケン・コズマはウォドロン軍の戦闘兵30人を指揮する4級戦闘士だ。ジャハラでのザルカンダ軍との戦闘で勲功をたて、生れ故郷テルミナに帰還したケンは、突然憲兵局に逮捕される。ウォドロン人には絶対許されない、戦いへの懐疑を抱いたためだ。軍事法延が開かれ、懲罰兵士として、最悪の地獄の戦線ザンタナに送りこまれたケンを待ちうけていたものは…。銀河を舞台に描く壮大なロマン。書下し長篇。
暗闇の部屋のなかで裸で男を待つという興奮が、しとどに彼女を濡らしていたらしい。敏感な隆起を舌で捜し当てて愛撫してやると、ついにこらえきれなくなって来たらしく、みじかい声を発した。澄みとおったソプラノだ。(「甘い声」より)。漆黒の闇の中で、顔も名前も知らない女の“美しい声”に官能の極みを発見する表題作を始め、女性の深淵を探る著者初の官能傑作集。
北条貴は、警視庁の白バイ乗りだ。非番の日、彼は、恋人で婦人警官の由紀とのドライブの最中、暴走族に襲われた。病院で意識を取り戻した北条は、有紀の死を知らされる。心身ともに憔悴し切っている彼に、身内の者だという奇妙な訪問者があった。その男は、暴走族に復讐する気はないか、と尋ねる…。法手続き抜きで極悪人を制裁する、新シリーズ書下ろし力作。
不思議な賦活物質をもつダルマをわがものにする野望のために、この巨大植物と共棲してきた惑星プロトコルをも根絶した恒星間帝国に十五年の歳月が経った。帝国は倦み、国家の黄昏は万民の目に明らかだった。そんなある日、齢百六十五歳になったシュラクサイの元に皇帝シビルピューマ五世から招きの親書が届いた。狂宴と拷問と淫行で人生の老期を迎えた皇帝は、不死の妙薬のことを妄執して、かつて帝国に謀反したフレッチェル大尉とプロトコルの首長の娘ラブ=ラブとの間に生まれた男子を利用する話をもちだしたのだ…。
EOS(恒星間帝国)に新たな資源発見をもたらすべく命を受けた異星調査艦キュロス4は、未知の惑星プロトコルで猫型ヒューマノイドの異星人がダルマと尊ぶ植物で、賦活物質を臓する大樹を発見した!ESF(帝国宇宙軍)のプレイ少佐は、帝国の皇太子アムラビからダルマを帝都アルティアに輸送し、蘇生物質を量産化せよという計画に従って、親友のフレッチェル大尉を副長に任命、巡洋戦鑑ブライアント号でプロトコルへ向かった。だが、そこは官能の楽園で乗組員と厳格な艦長ブレイは対立、帰還途上で反乱が。
男の名は、無久路草平-斯界では即身仏や古噴研究家として知られるが、ミイラや非業の死をとげた被害者の声を聞くことから、全国の警察の特殊コンサルタントをひきうける、人呼んで“死に神探偵”だ。奥只貝の鳴神村で好きなミイラ仏と対面していた時、アベックのスキー客がライフルで狙撃されたうえに内臓物が取り出されて死体の側に並べてある酸鼻な殺人事件にでくわした。人の死に際に残した意識の声を追って、白髪の探偵が異界まで捜査の足をのばしてゆく…エンタティナー・田中光二の衝撃ミステリー傑作集。
民間人初の宇宙飛行士、ウェイトレスのサンディーと探偵のデュークを乗せてスペース・ローリーは飛び立った。直後に地球は核戦争で壊滅。孤立無援の船はやむなく地上に降りた。しかし、地上に破壊のあとはなく、原始の自然が広がるのみ。しかも口のきけない村人達はサンディーを神とあがめるのだった。-故郷の石塔の中で女神サンディーヌがタリオンに語った不思議な物語。それは女神自らの運命をも巻き込んだ妖魔と人間の遥かな戦いの歴史だった。そして神々の血を受けついだタリオンの使命とは?いま新たなる戦いがタリオンを待ち受ける。
奄美へ向かうYS11機が、吐〓喇の孤島・蛇石島に不時着、カメラマンの竜崎らは、分け入った山中で野生山羊とヒッピー達の死骸を発見した。急ぎ事故現場に戻ったものの、彼らを待っていたのは自衛隊武装集団による乗員乗客の大殺戮であった。一人危地を脱した竜崎だったが、YS11機は海に沈んだと発表され、彼を助けた漁船員は抹殺された。島で何が進行しているのか?竜崎の逃亡が始まった。長篇冒険小説。
自らの出生の謎を解き明かすべく、タリオンは故郷の村を目ざす。氷雪に閉ざされた酷寒の地。自然の猛威に加え兇悪な三兄弟の率いるならず者の軍隊が行く手を阻むが…。一方、東方の蛮族の帝都侵攻を好機として、フォルタらは帝国への反乱の狼煙を上げた。帝国打倒の呼びかけに諸国の人々は立ち上がるのか?また、タリオンを育んだ小人族の島に迎えられたレヴィ王女のその後は?さらにミシュリーヌ殺害がもたらしたフリオ侯爵と狂気の剣士バランの確執のゆくえは?いま大陸全土を戦雲が覆いゆく。
邪神の呪いを解いたタリオンに光と音と言葉が戻った!レヴィ王女を奪還したフォルタ団長一行とも合流する。さらには老戦士ポーロの告白により、驚くべき自らの出自をも知る。帝国との北辺の戦い。ポーロ率いるタスク族の裏切りとトロビト村の虐殺。唯一人生き残った赤子…すべては皇帝の奸計によるものだった。新たな怒りに燃えるタリオン。折しも、センペカの捕虜五百人の処刑の日が迫りつつあった。感慨に浸る暇もなく、タリオンらは捕虜奪還のため、妖魔の末裔たる皇帝と教皇が待ち受ける神都スメラルドに、勇躍乗り込まんとしていた!
サバン城陥落。帝国軍の殺戮の嵐が去った後には、レヴィ王女以下わずか5百人の市民将兵が生き残るのみ。フォルタ団長はモルティーギ将軍への臣従を装い、ひそかに5百人救出の機をうかがうが…。一方、師スパドゥロスと共に修道僧軍団に捕われたタリオンは帝国の神都スメラルドに連行される。テラノーヴァ神を祀る邪悪と淫風に満ちた大寺院の内でタリオンの前についに姿を現わす教皇ゲミロウス。この、恐るべき帝国の妖花との間に交わされる熾烈な戦いは、やがてタリオンの身に驚くべき変化をもたらすのだった…。白熱のシリーズ第3弾!
眉目秀麗な盲目聾唖の戦士タリオンの超人的剣技。サーカス団の団長フォルタの巧妙な戦術。2人の味方を得たレヴィ王女率いる熱帯の小国センペカは帝国軍百万の猛攻によく耐えていた。しかし圧倒的劣勢は否めず、いまやセンペカに残された希望は悪を破る力を秘めたフォントベラの剣のみ。しかし曲折の後にタリオンの手に帰した神剣は、未だタリオンの支配を受けつけない。かくて神剣を自在に操る術を学ぶべく、タリオンは修行の途につくのだった。訪ねるは霊峰に隠棲する老師スパドゥロス。果たしてセンペカ陥落前にタリオンの修行はなるのか!