著者 : 真堂樹
昭和初期の東京。浅草の片隅の見世物小屋でひっそりと暮らす猫又の弐矢は、むかし愛した女に瓜二つの美貌の持ち主を見つける。その青年・嘉寿哉の家に居候することに成功した弐矢だが、心理学を研究しオカルトを糾弾しようとする嘉寿哉の周りには何故か妖怪たちが引き寄せられてくる。愛しい彼を守るべく、弐矢は奮闘するが…。欲望渦巻く帝都で暗躍する、妖しくも美しい妖怪たちの物語。
職を失った男のもとへやってきた猫、かつて飼っていた猫に会えるというホテル、猫飼い放題の町で出会った二人、猫が集まる縁結びの神社、死後に猫となり妻に飼われる男──猫にまつわる五つの物語。
【文学/日本文学小説】昭和5年、帝都東京──。大衆文化は爛熟し、華族の醜聞が世間をにぎわせていた時代。宮内省「宗秩寮」幹部・御園尾男爵に飼われている藤巻虎弥太は、若き伯爵・石蕗春衝の素行調査を行うため屋敷に潜入するが、やがて「連続華族殺し」に巻き込まれていく。
クールな美形僧侶・空円と水商売系僧侶・覚悟の営む孤月寺で、見習いとして働く三久。寺を訪れた老師から空円の過去を聞き、少し近づけたような気がしていたが、そんな時実家の和菓子店を継ぐように言われてしまう。同じ頃、覚悟にも海外修行の話がもちあがり、三人の寺での生活に終わりが近づいて…。三久の出した結論は?かみ合わない坊主トリオの下町人情譚!
東京郊外、とある駅前にある「ツギハギ横丁」。戦後闇市の面影を残す一角に、バー「間」はひっそり佇んでいた。店主の波佐間とアルバイトの由比が営むその店には、毎週水曜午前一時に「特別な客」が訪れる。生者と死者が交差するこの店で、死者たちは伝えられなかった想いをグラスに紡ぐのだ。そんな日々の中、波佐間もまた伝えられない想いを胸に秘めていて…。
クールな美形僧侶・空円と水商売系の僧侶・覚悟の営む孤月寺に転がり込んだ三久は、見習いをしつつ「寺カフェ」を流行らせたいと目論む。一方、墓地に挙動不審な男性が現れ……坊主トリオが贈る下町人情譚!
お人好しで要領の悪い三久がリストラに遭い、行き倒れた先は貧乏寺の孤月寺。クールな美坊主・空円と謎の派手男・覚悟が営む猫だらけの寺で、三久は僧侶見習いとして働くことに!? 下町人情コメディ!
とある冬の日、タチアオイ図書館でいつものように和む皆のところに、黒服姿の小手川オーナーが姿をあらわした。宮本は彼女から、図書館がいまの場所に建てられたいきさつを聞くことになるーオリジナルストーリーで明かされる、「タチアオイ児童図書館」設立秘話ー無愛想だけど、一流の青年司書ととっておきの一冊。