著者 : 矢彦沢典子
夢魂灯黄泉懸橋(ゆめあかりよみのかけはし)(後編)夢魂灯黄泉懸橋(ゆめあかりよみのかけはし)(後編)
若君が透明人間にされてしまった結城家のお家騒動。首謀者は後見人の座を狙う磯貝若狭かと思われていたが、その裏には、どうやら結城家のとり潰しを願う本家、羽山家の陰謀があるらしい。企みを暴こうとする透十郎、あやめ、お孝の3人。だが時すでに遅く、事は将軍立ち会いの評定へと持ち込まれる。若君は依然として透明のまま。とり潰しは間違いない。羽山のまわし者、強敵月橋愁雲のあざけりのなか、3人はある一つの策に最後の望みをかけ、決死の覚悟で評定の場に臨むのだった。
夢魂灯黄泉懸橋(ゆめあかりよみのかけはし)(前編)夢魂灯黄泉懸橋(ゆめあかりよみのかけはし)(前編)
草木も眼る丑三つ刻。飲んべえのお孝は、いつもながらに千鳥足のいい気分で、一人夜道を行く。暗闇に浮かぶ桜並木の向こう、ぼおっと白い光が見えた、と思うや、突然、何者かがぶつかってきたー。それが事の始まり。お孝は顔見知りの闇医者桃玄こと東方透十郎や、彼の友人で女形の橘あやめと共に、思いもかけぬ結城家のお家騒動に巻き込まれていく。透明人間が現れるわ、命が狙われるわと、もうたいへん。さあさ、うるわし、あやしの歌舞伎調大活劇、はじまり、はじまりぃーっ。
天氷山時暁(てんこおるときはあかつき)天氷山時暁(てんこおるときはあかつき)
十三年前、天氷山裾野の氷雪が突然にとけ、新里が生まれた。人々は、魔人・翔姫がこの奇跡を起こしたとし、彼女を女神とあがめた。だが、仇吉・駒安の2人組と七之助は、それを信じない。翔姫の正体をあばこうとする彼らの前に、さらに2人の魔人が現れる。翔姫を敵と狙い、人々を新里から去らせようとする雪菖蒲と、彼を襲う雪丸。そこにはどんな事情があるというのか?折しも来月は“暁の日”。九百年に一度巡ってくるこの日には、新里で大異変が起こるといわれいてるのだが。
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