著者 : 種村直樹
新幹線誘致派の長野県議の轢死体が群馬で発見され、鉄道警察の高杉春雄警視が高崎署へ赴いた。一方、静岡へ旅行した藤崎香菜子は、寸又峡で知り合った秦野明宏と散策中に男が墜落死するのを目撃したが、偶然耳にした電話から事故が仕組まれたものだと知り、高杉の許に保護を求めてきた。捜査が進むにつれ、被害者がともに元国鉄マンだったことが判明し、やがて広島で第三の事件が…。鉄道ミステリー長篇。
JR東部日本が上越新幹線に新駅を設けて開発したGALA湯沢スキー場。華やかな雰囲気の中で「ミス・ミスターGALA湯沢コンテスト」が年明けに開催される。決勝を控えた年末、下見を兼ねてスキーを楽しんでいた出場者の一人・江森敦子のロッカーから女性の死体が発見された。コンテストの優勝侯補・梶佐江子だった。視察の合間に初滑りをしていた鉄道警察隊の高杉警視は捜査に乗り出した。好評シリーズ。
新進アイドル歌手・南瀬碧が誘拐された。しかし犯人からの要求がないまま三日後に解放された。碧は束の間の冒険旅行を感謝してさえいるようだった。誘拐に〈北斗星〉が利用されたことから鉄道警察管理室・高杉警視が動きだした。碧によれば犯人は男性二人。〈北斗星〉で函館到着後、車で北海道各地を回ったらしい。移動先に作為的何かを感じた高杉は、犯人が名を騙った碧の友人、浜中毅を訪ねた。そこで鉢合せしたのは愛知県警の警部だった。浜中が名古屋で何者かに襲われ重傷だという。二つの事件を結ぶ糸は。
偶然手に入れた歌川広重の浮世絵が、敏腕TVプロデューサー朝比奈に過去の事件を思い出させた。十数年前、旧長浜駅舎で広重の原板が発見されたが、数日後に偽物との鑑定が下ったのだ。入手した浮世絵は、その一件と関わりを持つものではないか?朝比奈はディレクターの金井恵実と旅番組の取材をかねて、記念館となっている旧長浜駅舎を訪ね、殺人事件に巻き込まれるが…。
福島県郡山の山林で女性の他殺死体が発見された。三日後、福井県九頭竜湖“夢の架け橋”爆破事件での損傷著しい死体。ともにルポライター森口麻衣子だと断定された。報告を受けた鉄道警察の高杉春雄警視が捜査を始めると、今度は徳島県小鳴門橋爆破の知らせが入る。JR新四国本社には犯行声明と瀬戸大橋爆破予告の脅迫状が届いていた。先の事件との繋りに気付いた高杉は犯人割出しを急ぐ。
札幌女子大学旅行研究会はJR北海の〈レジャーエクスプレス〉を利用した弘前りんご狩りツアーを計画。女子大生87名を乗せ札幌を出発した列車は函館を経て、廃止が決まった青函連絡船で青森へ向かう予定だった。ところが、JR北海とJR東部日本にこの一行を列車ごと誘拐したとの脅迫状が届いた。八戸へ上陸させ、他の列車のダイヤ変更を要求する犯人の目的は一体何か?長篇本格トラベル・ミステリー。
東京発〈ひかり41号〉が名古屋駅に到着した。国鉄の分割民営化を控え、新発足する中京旅客鉄道会社の検討会議に出席する要人三人を出迎えるため、駅長や助役がホームで待っていた。だが、三人は降りてこない。三人の乗車は東京で確認されている。ひかりは走り去った。名古屋駅幹部たちは恐慌をきたし、すぐ捜索願いを出した。今は亡き国鉄に哀惜の意をこめて著者が贈る長篇本格鉄道ミステリー。
12月20日、JR東部日本は、上越新幹線にガーラ湯沢駅を新設し、ゴンドラで結んだGALA湯沢スキー場をオープンした。その記念に来年1月「ミス・ミスターGALA湯沢コンテスト」が開かれる。予選を通った江森敦子と倉沢和美は久しぶりの滑降を楽しんだ。敦子が忘れ物をとりにロッカーに行き、暗証番号を押して開けると、転がり出たのは女性の死体だった。先程まで華麗なフォームで滑っていたコンテストの優勝候補、梶佐江子である。視察方々、初滑りに来ていた鉄道警祭の高杉春雄警視が駆けつけてみると…。
11月5日、JR東部日本の新清水トンネル内にある土合駅で、中年男性が階段から転落死した。現場にいたのは旅と鉄道の好きな植宮隆生。19日、北陸本線の筒石駅で男性が〈北陸5号〉にはねられて即死。目撃者は上田孝とカメラマンの樋口清美。12月10日、野岩鉄道の湯西川温泉で高校生の刺殺事件。何れも日曜日に起きたトンネル内での変死事故である。鉄道警察の高杉春雄警視は、この3件には繋がりがあると確信し、3人の行方を追った。一方JR北海に「今度は青函トンネルを爆破する」との脅迫状が届いて…。トンネル駅で次々におこる怪事件の恐るべき真相とは。
2月12日、福島県郡山の山林で発見された女性の他殺死体と、その3日後に福井県九頭竜湖“夢の架け橋”爆破の際にみつかった損傷者らしい死体が、どちらも森口麻衣子と断定された。報告をうけた鉄道警察の高杉春雄警視は、〈北斗星5号〉に彼女と同乗していたとみられる菅野祐子についての情報収集に乗りだした時、今度は徳島県の小鳴門橋爆破され、JR新四国あて、犯行声明と瀬戸大橋爆破予告の脅迫状が届いた。高杉はこの事件と先の2県は繋がってると直感した。犯行の動機と2県の女性死体は何を意味するのか?
札幌女子大学国際学部三年の高梨夏美は、家庭の事情で1年間休学し東京に帰る決心をして、学内の旅行研究会主催のイベント列車〈レジャーエクスプレス〉を利用した“弘前りんごがりツアー”に参加することにした。留学生二人を含む女子大生87人名の夢を乗せて列車は札幌から函館へ、そして廃止が決まっている青函連絡船で青森を経て目的地の弘前へと向かった。ところが、JR東部日本に、この列車ごと女子大生たちを誘拐したとの脅迫状が届いて大騒ぎになった。犯人たちの目的は?前代未聞の事件はこうして始まった!