著者 : 緑青・薄浅黄
アルトにラギとの別れの時が迫っていた。命が残り僅かと悟ったラギは、セツナに「最後に私と闘ってくれ」と願い出る。ラギは獣人である自らの闘いをアルトに見せることで、いまだ獣人の力を知らないアルトの心に、その闘う術を刻もうとしたのだった。それは独り立ちするための糧をアルトに遺そうとする、ラギの命がけの賭けでもあった。移りゆく季節の中、悲しみを知ったアルトは少しずつ大人になってゆくーー。第一部完結。 プロローグ/秋水仙《最良の日々は過ぎ去った》/第二章ミヤコワスレ 《別れ》/第三章ネリネ《幸せな思い出》/エピローグ
セツナとアルトのリペイドでの生活も一月が過ぎ、国の一大行事「建国祭」が迫っていた。しかし国王は建国祭より国難対応を優先する。その態度に危機感を抱いた王妃から依頼を受けたセツナは、国王と王妃を取り持つある計画を秘密裏に進めるが、あと少しというところで思わぬ事態に。一方、アルトたちと静かに余生を過ごすラギは「残された時間で何ができるだろう」と悩みを深める。季節は夏から秋へ。北国で交錯する温かな人間模様。 プロローグ/第一章 トルコキキョウ《良き語らい》/第二章 アメジストセージ《家族愛》/第三章 ヒヨドリジョウゴ《すれ違い》/第四章 トルコキキョウ《楽しい語らい》/エピローグ/追章 杜若《音信》
リペイドの街のギルドで、アルトは自らの意思で依頼をうけることに。その依頼とは、余命幾ばくもないラギという老人と、残り少ない余生をともに過ごすということだった。一方セツナは、ノリスとエリーという花屋の夫婦を助けるために依頼を受けることにするが、時を同じくして、王妃から直々に別の依頼が持ち込まれ・・・・果たして、セツナとアルトはそれぞれ依頼を無事達成することができるのか? リペイドでの尊く愛おしい日々を描く、シリーズ第4弾! プロローグ/第一章 ミヤコワスレ《しばしの憩い》/第二章 ブータンマツリ《いたずら心》/エピローグ
弟子アルトとの旅を続けるセツナは、想いを通わせた竜の娘・トゥーリと別れたあと、森で疲れ果て座り込んでいる男と出会った。男の名はサイラス、なんでも国で宰相暗殺疑惑をかけられ、「騎士」をはく奪されたうえ、転送魔方陣で跳ばされてきたという。悲嘆にくれるサイラスだったが、セツナは、サイラスの追放は、毒を盛られた国王のため、ひそかに解毒剤を持ち帰る使命を託された、という真相を見抜く。「国に戻りたい」というサイラスの願いを聞き入れたセツナは、アルトとともにサイラスの故国・リペイドに向かうことにするが、リペイドへ続く洞窟には、トゥーリに関係するある人物が待ち受けていて……。セツナは国と国の陰謀を解決し、サイラスを救うことができるのか? プロローグ/第一章 アネモネ《貴方を……》/第二章 カーネーション《忍耐強さ》/第三章 アネモネ《貴方を信じて待つ》/エピローグ
弟子アルトとの旅を続けるセツナ。道すがらいろいろなことに興味を示すアルトと、そんなアルトを慈しむセツナの旅は、ゆっくりとしながらも着実に進んでいた。そんなある日、二人の様子を奴隷商が奴隷を連れていると勘違いした獣人の二人組がセツナに襲い掛かってきてーー。 さまざまな人々とのかかわりの中で、疑念、嫉妬、情愛・・・セツナに対するアルトの複雑な感情が、師匠と弟子という関係に変化をおこす。そして洞窟の中で出会った美女トゥーリとの出会いが、セツナたちの間に「家族」という新たな関係と役割をもたらすのだった・・・・。 プロローグ/第一章 デージー《乙女の無邪気》/第二章 クリスマスカクタス《冒険心》/第三章 カルセオラリア《我が伴侶》/エピローグ/追章 杜若《音信》
68番目の勇者として異世界に召喚されつつも病弱で見放されていた杉本刹那は、23番目の勇者カイルからその命と共に大いなる知識と力を受け継ぎ、勇者の責務からも解放される。三度目の人生にしてようやく自由を得た刹那は、冒険者として生きていくことに。見るもの全てが新しい旅の中で生まれる出会いと別れ、それが彼とそしてこの世界を変えていく。