著者 : 緑青・薄浅黄
セツナとアルトのリペイドでの生活も一月が過ぎ、国の一大行事「建国祭」が迫っていた。しかし国王は建国祭より国難対応を優先する。セツナは国王の考えに危機感を抱いた王妃からの依頼で、国王と王妃を取り持つある計画を秘密裏に進めるが、あと少しというところで思わぬ事態に。一方、アルトたちと静かに余生を過ごすラギは「残された時間で何ができるだろう」と悩みを深める。季節は夏から秋へー北国で交錯する温かな人間模様。
北国リペイドで、アルトは自らの意志で依頼を受けた。それは余命幾ばくもないラギという老人からの、僅かな余生をともに過ごしてほしいという願いだった。一方セツナも花屋の夫婦から切実な思いが込められた依頼を受けることに。しかし、時を同じくして、王妃から直々に別の依頼が舞い込み…。アルトとセツナは無事依頼を全うすることができるのかー。
セツナは、森でサイラスという男に出会う。疑惑をかけられ国を追放されたというが、セツナは、その追放劇は罠に嵌められた国王を救うために仕組まれたものだと見抜く。セツナはサイラスらと彼の故国リペイドに向かうが、道程に立ちはだかる魔の洞窟に、意外な人物が待ち受けていて…。セツナはリペイドの国難とサイラスを救うことができるのか?
クットへ向けて旅立ったセツナは、獣人の弟子アルトを連れていたせいで、謎の男女から獣人を虐待する奴隷商人と疑われるが、なぜか彼らと一緒に旅を続けることにー。愛を語る宿の主人、人間を憎悪する獣人族、葛藤するアルト…様々な感情を受け止めた末に、セツナは、洞窟で不思議な女性と出会う。その瞬間、セツナの運命が動き出すのだった。
68番目の勇者として異世界に召喚されるも病弱で見放されていた杉本刹那は、23番目の勇者カイルからその命と共に大いなる知識と力を受け継ぎ、勇者の責務からも解放される。三度目の人生にしてようやく自由を得た刹那は、冒険者として生きていくことに。見るもの全てが新しい旅の中で生まれる出会いと別れ、それが彼とそしてこの世界を変えていく。書籍版新規書き下ろし短編、追章・杜若“音信”も収録。