著者 : 織田淳太郎
ジャッジメントジャッジメント
「アウト!」プロ野球審判員・三宅健一郎が、ホームプレート上のクロス・プレイに下した判定をめぐり、両チーム入り乱れての大乱闘となった。試合後、木村と名乗るカメラマンが三宅の前に現われ「セーフを証明する決定的瞬間を撮った」と言うが、翌日、なぜかそのスクープ写真は掲載されなかった。しかし、三宅の胸にはもっと大きな不安が広がっていた…。同僚の死の謎を追う審判員の山際は、はたして公正なジャッジメントを貫き通せるのか。超新星が放つ書き下ろし長編ミステリー。
トレ-ナ-トレ-ナ-
天才ボクサー藪一也と世界チャンピオンのアルマンド・ケニーの一戦が決定してから、藪のトレーナーを馘になった倉本祐司の独り言が始まった。「これで、終わりだ、藪も、おれも」-この世界戦は時期尚早、ジム会長藤倉の金儲け主義の産物だ。KO率九割を誇るケニーの強打に、藪は壊されてしまう。おれは藪を世界最高の芸術品に仕上げるのだ。そのためには、ボクシングの指導だけではなく、何でもやった。別れさせるために、藪の恋人奈緒を犯しもした。ケニーや藤倉にもおれの夢は潰させない…。『大場政夫の生涯』『拳闘王辰吉丈一郎』の著者が放つ傑作長篇ミステリー。
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