著者 : 荒野
かつては最愛の姉であった生きる屍のこともその手で貫き、姉の伴侶であるバーナードへの復讐を果たした元勇者ラウルは、今度こそ国王との決着をつけるため、この地上に残る最後の復讐対象のもとへと向かう。そのころ、クルツ国は魔族とラウルによって主要都市を半数以上失い、王都は崩壊して戦力も乏しくなっていた。それでも、ラウルに許しを請う行為など認められるわけもない国王は、手立てもなく崖っぷちに追い詰められてしまっていた。そこへ、主要都市バールにラウルが現れたとの知らせが届き、怒りに震えたクルツ国王は、ブラッカム将軍にラウル討伐作戦の練り直しを叫ぶー。
「グレン。君の評判の悪さはパーティーにとって不利益だ。今日限りで出ていってもらう」昇格祝いを終えた翌日、ギルドに呼び出されたグレンはパーティーのリーダーから追放処分を受けた。その理由は、グレンの“悪い噂”がパーティーにも影響するから。実際には捏造された噂ばかりだが、以前からパーティーを抜けたいと考えていたグレンはその処分を受け入れ、パーティーを去ることに。久しぶりに故郷へと帰ると、そこに待っていたのは世間の悪い噂を信じている育ての親たちだった。親たちに糾弾されて逃げ込んだ森で、グレンを待っていたのはー。大事な物を失った冒険者が再び希望をつかみ取る異世界ファンタジー!
最強の勇者として魔王を倒したラウルは、世界の救世主となるーはずだった。私利私欲を貪る貴族たちにより、仲間や家族を殺されたラウルは、偽りの罪で処刑される。命が潰えるその直前、ついに彼の心は悪に墜ちた。…あの裏切り者どもを、火炙りにして殺す。八つ裂きにして殺す。串刺しにして殺す。地獄のような苦しみの中で、憎き者たちを全員容赦なく殺してやる…!!!!闇の力を手に入れ蘇生を果たしたラウルは、復讐を誓い、嗤う。