高度経済成長まっただ中の1960年代後半、失望と孤独に打ちひしがれるも懸命に生き、愛した若者たち。いま鮮やかに甦る。
潮が香り、砂が鳴く因幡の風が湾から谷へ吹いてくるー舞鶴軍港建設に貧窮脱出を賭けた因幡の部落民。だがそこには差別が残り、酷酷な労働は命を奪う。日本の「近代」は本当に「近代」なのか。水平社を模した八東社の旗が揺れる。