著者 : 藤原七瀬
賢者避行賢者避行
僕はユーチューバーの息子、津村ユニス。幼少期の僕はすべてをコンテンツ化され、そのせいでずっといじめられている。ユニスなんて、どっかのアニメの神みたいな名前をつけた父親は、大人気ユーチューバーだった、そう、昔は。父親の命日、遺品の整理をしようと父の部屋に入った僕は「ユーチューバーの遺書」と題された原稿を発見した。-「ユーチューバーの末裔」。「亜世界からの侵入の危機にある世界を救え」と、主人公・神志那夢丸の前に賢者を名乗る「仁・オールランド」が突如現れた。政治家の父を恐れ、受験勉強にストレスを抱える日常と、まるでRPGのように世界の危機に立ち向かう非日常が奇妙に交差する。失恋、同級生の自殺、秘密の基地…心に暗い影を落とす過去を変えたいと願った夢丸が見たものとは?-「賢者避行」。
雷轟と猫雷轟と猫
「僕がこの大樹を折って見せるよ。ヒナタ」この決断にヒナタは、予想通りといったような、あたかも僕のことを昔から知っているかのような熱い視線を向ける。もちろん熱いと言ってもそれは決して鼓舞とかといったものではない。例えるなら光を求めて飛んだ蛾がその光に感電する様を期待するような。「あんたがこの大樹に干渉し得る何者かになった時、この大樹は折れる。七瀬、あんたは何者になる言うんや?」「さあね。もしかすると君の言った通り、白馬の王子様かもしれないよ」異常な父、余命宣告を受けた母、家出した兄、二人の美少女…。ある男子高生の歪んだ日常を描くYouTuberによる衝撃の初小説!
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