著者 : 藤堂房良
江戸で火事が多発した折、牢屋奉行に、その下手人を突き止められるとある男が申し出た。臨時廻り同心の山本市兵衛は、南町奉行、筒井の内与力、坂崎忠右衛門から、その男について廻って探索を行うよう命じられるのだがー。(表題作「赤猫」)珍しく窮地に追い込まれる市兵衛を罠や敵が待つ人気シリーズ第三弾。いつにもました迫力の剣戟と涙腺刺激の作品も入った傑作。
「霞の鷲五郎の噂は耳に入っておるかの」-南町奉行・筒井伊賀守の内与力・坂崎忠右衛門が臨時廻り同心の山本市兵衛に聞いた。人を殺めず、証拠も残さず霞のように大金を盗む盗賊・霞の鷲五郎の探索を依頼された市兵衛は、その影を追うが、衝撃の真相が待ち受けていた!心優しき爺侍が江戸の治安を乱す悪に名刀・石斬丸で立ち向かう。人気爆発シリーズ第二弾。
南町奉行所臨時廻り同心の山本市兵衛は、南町奉行・筒井伊賀守政憲の内与力・坂崎忠右衛門から江戸を騒がす輩について「密命」を受ける。商家のあるじを毒殺した下手人、金で人殺しを請け負う暗殺集団など、江戸の治安を乱す「悪」に、冴えた推理と名刀「石斬丸」で立ち向かう。めっぽう腕が立つが、困っている者には底抜けに優しい爺侍!期待の新シリーズ第一弾。
小普請の御家人ながら辻占をしている鏑木左京之介。ある日、吉原の大門に屍体がはりつけられた。その横には、左京之介への意趣返しなのか、「腹を切れ」との文言が記されていた。その後も続く殺人に業を煮やした町方から、七日以内に下手人があがらなければ切腹しろという要求を突きつけられ、左京之介、絶体絶命の危機。はたして下手人はー。好調シリーズ、第三弾。
小普請組の御家人ながら内職で占いをする鏑木左京之介。その前に、占いの師匠・白浪から紹介されたという男が現われた。しかし、貸本屋を営む鳩六というその男は、次第に具合が悪くなり亡くなる。鳩六のほかにも江戸で不審死が続出。その死に方から呪いを疑い、呪術師を当たり始めた左京之介にも、黒い闇が襲い掛かるー。不思議な作品で鳴る著者のシリーズ第二弾。
若くして江戸の裏社会に身を投じて15年、裏の世界で大物になった飄六は、札差だった父を殺された仇を討つため札差簑島屋の店付き護衛・蔵闇師として実家に戻った。父の遺した“穴穿き小判”を手がかりに探索を続ける飄六だったが、簑島屋に多額の借金をしている旗本から蔵替の申し込みが相次いだ。不審に感じた飄六は、調査を開始するが…。立ちふさがる難敵の急所を、飄六の秘剣“竜”が貫く!
辻占を副業としている御家人の鏑木左京之介に、人足寄場の奉行から声がかかる。仕事の中身は寄場を放免になった錺職人・吉次郎を悪事を企む連中から守ることだった。晴れて寄場を出てなんとか仕事についた吉次郎だったが、その仕事には黒い影がちらつく。そして、背後にはさらなる闇が存在していた。左京之介が神刀自在流の剣で悪を断つ!異色の新シリーズ。
若い頃に家を飛び出して裏社会に身を投じた飄六は、父の死をきっかけに実家に戻った。飄六の実家は札差・蓑島屋で、家業は飄六の実弟・伊兵衛が継いでいる。飄六は伊兵衛に請われて札差の店付き護衛・蔵闇師として働き始めた。ある日、伊兵衛の息子が誘拐され、伊兵衛は身代金を支払って息子を取り戻す。飄六は甥を誘拐した犯人を捕まえようと動きだすが…。変幻自在の得物“竜”を手に、飄六が江戸の闇を駆ける!
部屋住みに絶望する旗本の三男坊、朝倉新三郎は心の拠り所だった祖父の死を機に出奔。ふとしたことから“見倒屋”徳兵衛に弟子入りする。見倒屋ーそれは、鍋釜から刀まで、人の匂いと思いの籠もった物を蘇らせ、新しい主へと橋渡しする商いだった。慣れぬ町人暮らしに戸惑いつつも、次第に生きる喜びを知る新三郎。折しも火事で散逸した雛人形を集めてほしいという依頼が舞い込む。期待の新シリーズ!
吉原の肝煎、庄司甚右衛門が行方知れずとなった。花街きっての実力者の失踪は最悪の結末を迎える。誰が、いったい、何のために…。息子の甚五郎とともに、甚右衛門惨殺の真相を探る隠密廻り・桐谷左門は、やがて、吉原に隠された驚愕の秘密を知ることになる。飴玉咥えて悪を斬る、型破りの剣豪が大暴れする絶好調シリーズ第三弾!