著者 : 角川書店装丁室西村弘美
春の名残が漂う頃、隠れ宿「左近」の長男・桜蔵のもとに黒ずくめの男が現れる。タマシイを喰う犬を連れた男、髪や皮をわがものにしようとする男、この世の限りに交わりを求める男…行きずりのあやかしたちをついひろってしまうらしい桜蔵は、そこで彼らのほしいままにされ…酔いしれるような夢と現、濃厚にたちのぼる死の気配と生とのあわいを往還しながら繰り広げられる、蠱惑の幻想譚。
恵まれた環境に育ちながら、夢も希望も目標もない日々を送っていた20歳の澄雄。しかしある日携帯の出会い系サイトでジュリアとめぐりあい、彼の人生は一変してしまう。言葉をしらない獣のようにつながりあい、愛しあう二人だったが、六本木ヒルズに住む学生とパン工場で働く契約社員では、あまりにも住む世界が違いすぎた。格差社会に引き裂かれ、それでも命がけて恋を全うしようとする恋人たちを描く。
時は平安。安倍晴明の末孫で見習い陰陽師の昌浩は、黄泉の封印を守るため都を奔走していた。だが、晴明の式神・紅蓮(相捧の物の怪)の魂が、封印を解く鍵として、屍鬼に取り込まれてしまう。昌浩は封印を守るため、紅蓮を自ら手にかけるしかないのか!?高淤の神から借りた神殺しの力・白い焔を手に、昌浩は封印を解かんとする宗主が潜む出雲の国へと出立するがー!?大人気の陰陽師物語、風音編、激動のクライマックス。
時は平安。藤壷の女御の中宮立后が近づくなか、安倍晴明の末の孫・昌浩は、相棒の物の怪とともに陰陽師として修行に励んでいた。一方、都では、神代の昔に閉ざされた黄泉の扉を開き、帝の血に連なるすべての者を死の虜にせんと画策する者がいた。そのために彼らが欲するのは、神の血をもつ生贄で!?北辰が翳り、黄泉の瘴気が吹き荒れるなか、昌浩は都を襲う闇を討つ。大人気の見習い陰陽師物語、第6弾、衝撃の展開へ。
時は平安。13歳の安倍昌浩は祖父・安倍晴明のもと、都を騒がす穂積諸尚の怨霊を調伏するなど、見習い陰陽師として修行に励む日々。そんな彼に雑鬼たちが、いやな感じの百鬼夜行が近づいていると報せてくれた。慌てて、夜の見廻りに出た昌浩は、その夜行に追われてさ迷う、か弱い魂に出くわす。一方、晴明の命を狙う謎の女術師・風音が、その後継者たる昌浩にも襲いかかってきて!?大人気の見習い陰陽師物語第5弾。
時は平安。稀代の陰陽師・安倍晴明の末の孫・昌浩は、見習いながら、直丁として陰陽寮で仕事に励んでいた。そんな昌浩のもとに、元服の加冠役であった右大弁・藤原行成が怨霊に襲われ、死の病に冒されている、との報せがはいる。さっそく調べをはじめた昌浩だったが、彼もまた怨霊に襲われてしまう。一方、晴明の式占には不穏な影があらわれていてー!?大人気の見習い陰陽師物語、新章・風音編、開幕。
武蔵野にひっそりとたたずむ一軒の古屋敷。そこは、世界をはばかる逢瀬のための隠れ宿「左近」である。十六歳になる長男の桜蔵は、最近どうも奇妙な男にかかわることが多い。生まれながらの性質なのか、その気もないのに、この世ならざるあやかしたちを引き寄せてしまうのだ。彼らは入れかわりたちかわり現れては、桜蔵を翻弄するのだが…。これは夢か現か、人か幻かー。生と死の境をゆきかう、いともかぐわしき物語。
時は平安。安倍昌浩は、祖父・晴明のもとで、陰陽師として修行をしながら、直丁として出仕をする日々。そんな中、藤原道長の娘・彰子の入内が決まった。一方、昌浩は、彰子が住む東三条殿から瘴気が上っているのを見つける。以前妖から受けた呪詛を、彰子が発動させてしまったのだ。それは彼女を狙う異邦の大妖怪・窮奇の仕業だった。彰子を救うため昌浩は、窮奇との最後の戦いに挑むー!新説・陰陽師物語第3弾。
時は平安。稀代の陰陽師・安倍晴明の末の孫で、見習い陰陽師・昌浩は、異邦の大妖怪・窮奇を退治するため、毎夜都を見回っていた。そんなとき昌浩は貴船神社で鬼女が丑の刻参りをしているという噂を耳にする。一方、左大臣・藤原道長の姫で見鬼の力を持つ彰子に、妖に取り憑かれた遠縁の姫から魔の手がのびる。ところがそれらはすべて窮奇への贄として彰子を手に入れようとする妖異の企みでー!?新説・陰陽師物語第2弾登場。
時は平安。13歳の昌浩は、稀代の陰陽師・安倍晴明の末の孫。素質はすばらしいはずだが、まだまだ半人前の見習い陰陽師。相棒の物の怪とともに、祖父の晴明にからかわれながら修行に励む日々である。ところがそんな中、内裏が炎上するという事件が起きた。昌浩は独自に調べをはじめるが、その背後に外つ国からやってきた妖異がかかわっていることが判明しー!?新説・陰陽師物語登場。