著者 : 野町祥太郎
江戸は浅草の鳥越神社のご祭礼も終わり、梅雨も明けようという季節、両国広小路にほど近い小料理屋『美舟』で、ちょっとした騒ぎが起こった。“暴れ馬”の異名で知られる街の嫌われ者、駕籠屋崩れの五郎八とその子分がなだれ込んだのだった。かつては柳橋で左褄をとっていたころからお侠で鳴らした女将のお舟が割って入るのを、お舟に気のある五郎八がお鉢を回して危うくなった女将を救ったのは、店の隅で静かに盃を傾けていた西国浪人仏伝八郎と名乗る若侍であった。お舟はその品のよい姿形にすっかりほの字になってしまった。以来、仏伝八郎には不気味な影が執拗につきまとう…。-長崎奉行の抜け荷事件にからんでまき起こるお家騒動の謎と仏伝八郎の活躍は…。
バラバラ事件発生ー!男の切断された片腕が、九州宮崎の西都原古墳公園の土中から発見された。血液型と指紋照合の結果、この腕は鎌倉の古美術商『悠雅堂』の主人伊良子為三のものと判明したが、鎌倉の人間の片腕がなぜ九州の地に…?生前、その指には、“男女交合図”の彫り込まれた奇怪な指輪がはめられていたという。悠雅堂の捜索をその息子から依頼されていた『週刊スクープ』の事件記者岬大助と美人と評判の易者ギャル桃花堂桃花の前に、古美術ブローカー、新興宗教の美人教祖など怪しげな人物が浮かび上がってきた。なにやら、悠雅堂が九州のどこかに隠されていることを突き止めた古代インド王朝の莫大な秘宝をめぐって…。シャンドラの秘宝は実在するのか?青春ミステリー。
浅草寺境内で易を立てる評判の美人易者ギャル桃花堂桃花と『週刊スクープ』の事件記者岬大助の二人が湘南へドライブに出かけ、暴走族のバイクに囲まれ、乱闘となった。その暴走族はブラックスターと名乗り、占星術星命教教祖のお告げによって動いているという。暴走族と易者、彼らは一体どこでつながるのか?桃花の好奇心が頭をもたげた。事件から1週間ほど過ぎて、教祖の公文黒星が江ノ島の岸壁から海に突っ込んで死んだ。桃花と大助は黒星の妹と称する麗花の星命教2代目襲名披露パーティーに、信者を装ってまぎれ込んだ。2人がそこで目にしたものは…!?(運命星の女)-事件記者と女易者探偵のコンビが殺人事件の謎に挑む青春ミステリー連作全6話!
おれ、岬大助、28歳、独身!のぞき見好きの一部読者に偏愛的な人気を博す週刊誌『週刊スクープ』の事件ライター!ガールフレンドは“桃ちゃん”こと白井桃枝、24歳!色恋の占いより血なまぐさい事件の謎を占うのが好きで、警視庁捜査課のベテラン刑事をファンにもって、“名探偵”との噂もひろまってる!-マイルドなタッチで描く青春探偵ミステリー!