著者 : 金泰生
改訂新装版 旅人伝説改訂新装版 旅人伝説
「小さき生の普遍性」 排外主義の時代に抗う、金泰生文学の終着点となる名作を復刊! 「この本は、済州島で生まれた朝鮮人の「ぼく」の人生遍歴であり、他者のことばである日 本語への旅であり、朝鮮や日本の人々が織りなす海にまつわる物語である。」(本書解説より) 済州、猪飼野、京都、東京、静岡(結核療養所)、埼玉川口、長崎・・ 植民地支配と戦争の時代、平安とは遠い日常の中で一つ一つの生を慈しんだ「在日」作家の生涯の旅路がここによみがえる。 付録として、初の単行本収録となる肺結核の療養生活を描いた小説「爬虫類のいる風景」を添えて、名もなき命が息づく伝説の世界を約40年ぶりに復刊する。(本書と大きな円環をなす連作集『私の日本地図』と同時刊行) 序章 ふるさと ゴム靴 海 1 異国の町 下駄 雨靴 夢 2 メルヘンの人 手紙 花 鏡 3 旅 塩 まぶしい人 4 わが町 町に宿かる 汝もまた 長屋小景 幻の朝鮮人 5 なりわい 招かざる客 トランジスターラジオ 6 猪飼野再訪 恋文 「猪飼野」再訪 ある在日朝鮮人のオモニ 長崎からーあとがきにかえて 付録小説 爬虫類のいる風景 解説 名もなき命が息づく伝説 宋恵媛
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