著者 : 雪富千晶紀
懐かしくも恐ろしい恐怖を掻き立てる名著『怪談』 その真髄を再現し、読者の意表をつく戦慄を与える 令和の『新・怪談』、ここに誕生! ーー東雅夫(アンソロジスト/文芸評論家) 日本ホラー小説大賞受賞作家が 新境地を切り開く、傑作ホラー短編集 会社員の森下は、単独登山中に滑落死した同僚・能見香織の慰霊のため、上司と先輩の三人で雪山に赴く。山荘の主人から、「この山には遭遇した人間に〈問いかけ〉をする雪女の伝説がある」と聞かされた翌日……(白い吐息 新釈「ゆきおんな」)。大勢の死者を出したツアーバスの事故から、奇跡的に生還した芳一。後遺症で視力を失うも、一躍脚光を浴びて……(午前零時の講演会 新釈「耳なし芳一」)。その他「ろくろ首」「水飴を買う女」「貉(むじな)(のっぺらぼう)」と、有名作をモチーフにした全五編を収録。小泉八雲の代表作『怪談』刊行から約百二十年、妖しくおぞましい世界が令和に蘇る! ■収録作品 「白い吐息ーー新釈「ゆきおんな」」 慰霊登山に向かった会社員たち。山荘で「この山には雪女の伝説がある」と聞かされた翌日…… 「デラシネの頭骨ーー新釈「ろくろ首」」 不可解な殺人事件と二つの失踪事件を、刑事が追うが…… 「マイ・ファミリーーー新釈「水飴を買う女」」 仲が冷え切った夫婦。妻が夫に、「勤め先に水飴を買う女の幽霊が来る」と言い出し…… 「午前零時の講演会ーー新釈「耳なし芳一」」 多くの死者を出したバス事故の生還者が、次々に事故死し…… 「『贖罪(しょくざい)』という名の人形ーー新釈「貉(むじな)(のっぺらぼう)」 急逝した人形作家の追悼展に、夜な夜な幽霊が現れて……
白い死神に翻弄される人々になす術はないのか!?漁師の原因不明の失踪が、発端だった。巨大なホホジロザメが目撃されるようになっても、一時的に迷い込んだだけだろうと誰もが考えた。しかし彼らは、いつまでたっても外海に去ることはなかった。事態は悪化の一途を辿る。追い出せないのか。駆除するしか、ないのか。そもそも、そんなことはできるのか!?平和な海を取り戻すべく、決死の掃討作戦が始まろうとしていた…。
マダガスカル沖でエンジントラブルをきっかけに始まった、日本人観光客10人を乗せた観光ボートの漂流。はじめは誰もが事態を楽観視していた……しかし。やがて食料は尽き、飲み水はなくなり、10人はパニック寸前の極限状態を迎える。「何もしなければ、ただ死んでしまう。絶対に生きて日本に帰るんだ!」無気力な学生だった乗客の一人である継人は、決死のサバイバルを開始する! 日本ホラー小説大賞受賞作家の新境地。幾多の試練と苦難を乗り越えて、彼らは生還できるのかーー!?
不二宮市職員の矢代は、開催が迫った来常湖トライアスロン大会に向けて奔走していた。そんななか水質の異常に気づいた同期の関が、来常湖に検体を取りにいくと言い残して失踪する。関を捜す矢代は、海洋生物学の准教授だという渋川まりに、湖にオオメジロザメが迷い込んでいる、と聞かされる。6日後には選手たちが泳ぐこの湖に、サメが?関に続いてキャンプにきていたカップルも荷物を残したまま姿を消した。3人が消えたのは、サメの仕業なのかー?
大学生の友哉は、中学の同窓会に参加することに。 しかし集まったメンバー達は、一様に何かに怯えていた。 そんな中、一人が突如変死する。 実は既に元級友が6人も、謎の死を遂げているという。 更に続く旧友の死に、友哉は元彼女のリカらと共に調査を開始。 近現代の連続殺人犯たちをモチーフにした、 テーマパークのホラーハウス〈殺人館〉の呪いではと推測するが……。 このてどんでん返し、予測不可能! 究極形のホラーミステリ、登場!! ーー徹夜覚悟で、読んでください。
北関東の平穏な町で、事件は起こった。 葬儀場で死者が甦り、他の遺体を貪り食ったのだ。 葬儀社の若社長・遼一は、風評被害を振り払うため、調査を始める。 同じ頃、遼一の妹で高校生の佐紀も、ある変化に気づいていた。 町の幽霊の様子が変ーー。 そう、佐紀には霊が見える。長い間、それは佐紀だけの秘密だった。 けれど同じく霊が見える少年、颯太と出会い……。 日本ホラー小説大賞受賞の実力派が描く、怖くてときめく青春ホラー! キーワードは よみがえる死者(ゾンビ) 大量殺人鬼 ゲーム系ホラー 幽霊 そして、ボーイミーツガール。 ひとつでも、キーワードにピンときたら読んでみて! おぞましいのに切ない、 恐ろしいのにきゅんとする。 日本ホラー小説大賞受賞の実力派が描く、 面白さ太鼓判の青春ホラー! (単行本『黄泉がえり遊戯』改題)
ーーそれでも、彼は彼女に、恋をする。 ボーイミーツガールから始まる最恐の青春ホラー! 東京都の果ての美しい島。 美しい少女、椰々子は、死者の預言を聞く力を持ち、不吉だと疎まれている。 同級生で名家の息子の杜弥は、そんな彼女に片想い。 しかし椰々子が「災いがくる」という預言を聞いた日から、島に異変が。 浜辺に沈没船が漂着し、海で死んだ男が甦り、巨大な人喰い鮫が現れる。 やがて島に迫る、殺戮の気配……。 呪われているのは、島か、少女か。 怖さも面白さも圧倒的!! 第21回日本ホラー小説大賞《大賞》受賞作!
動く屍体、加速する殺戮、そして涙……。 これが、青春ホラーミステリの王道 閉塞感に満ちた田舎町で、大学進学の夢を諦め、父の葬儀社を継いだ遼一。 ある日彼は、遺体が棺から起き上がり、他の遺体をむさぼり喰らうのを目にする。 「死者がよみがえる葬儀社」の噂のせいで客足は激減し、遼一は調査に乗りだすことに。 一方、遼一の妹で高校生の佐紀には、ある秘密があった。それは、霊が見えるということ。 遼一に理解してもらえず、学校でも孤立している佐紀だが、ふと町の変化に気づく。 佐紀は偶然出会った、同じく霊が見える颯太と共に、理由を探り始めるが・・・・・・。
伊豆諸島の東端の須栄島。高校生の打保椰々子は島民たちからなぜか“呪われた美少女”として避けられていた。彼女はある日、「災いが来る」という不穏な預言を聞く。それを皮切りに島では謎の怪異が続発することに。客船の沈没、頭部の欠けた死体、老婦夫刺殺事件、人喰い鮫、海から這い出してくる大量の死者…。次々と死人が出る事態に恐れ慄く島民たち。そんななか、椰々子に好意を寄せる同級生の杜弥は、被害者すべてが彼女の関係者だと気づき…。立ちはだかる苛烈な運命を椰々子と杜弥は乗り越えることができるのか!?第21回日本ホラー小説大賞受賞作。