著者 : 雪富千晶紀
白い死神に翻弄される人々になす術はないのか!?漁師の原因不明の失踪が、発端だった。巨大なホホジロザメが目撃されるようになっても、一時的に迷い込んだだけだろうと誰もが考えた。しかし彼らは、いつまでたっても外海に去ることはなかった。事態は悪化の一途を辿る。追い出せないのか。駆除するしか、ないのか。そもそも、そんなことはできるのか!?平和な海を取り戻すべく、決死の掃討作戦が始まろうとしていた…。
マダガスカル島沖で、10人の日本人を乗せたボートが、エンジントラブルをきっかけに漂流を開始した。はじめは「数日で助けが来る」と楽観視していた10人。しかし、すぐに食料は尽き、飲み水もなくなり、極限状態の中で互いに反目し合って生還を絶望するー。無気力な大学生だった清野継人もまた、最初は状況に翻弄されるばかりだった。けれども、同年代の乗客・渡辺怜央と共に生と死の臨界まで追いつめられたとき、覚醒する。「必ず全員で、生きて日本に帰るんだ。その時、俺は君と…」呪いの海、人喰い鮫、竜の伝承、人無き孤島。漂流者10人は、生きて日本に帰ることができるのか…!?
不二宮市職員の矢代は、開催が迫った来常湖トライアスロン大会に向けて奔走していた。そんななか水質の異常に気づいた同期の関が、来常湖に検体を取りにいくと言い残して失踪する。関を捜す矢代は、海洋生物学の准教授だという渋川まりに、湖にオオメジロザメが迷い込んでいる、と聞かされる。6日後には選手たちが泳ぐこの湖に、サメが?関に続いてキャンプにきていたカップルも荷物を残したまま姿を消した。3人が消えたのは、サメの仕業なのかー?
大学生の越智友哉は、中学の同窓会に参加することに。しかし集まったメンバー達は、一様に何かに怯えていた。そんな中、1人が突如変死する。実は既に元級友が6人も、謎の死を遂げているという。更に続く旧友の死に、友哉は元彼女のリカらと共に調査を開始。近現代の連続殺人犯たちをモチーフにした、テーマパークのホラーハウス、“殺人館”の呪いではと推測するが…。このどんでん返し、予測不可能!究極のホラーミステリ、登場!!
東京都の果ての美しい島。少女、椰々子は、死者を通し預言を聞く力を持ち、不吉だと疎まれている。高校の同級生で名家の息子の杜弥は、そんな彼女に片想い。しかし椰々子が「災いが来る」という預言を聞いた日から、島に異変が。浜辺に沈没船が漂着し、海で死んだ男が甦り、巨大な人喰い鮫が現れる。やがて島に迫る、殺戮の気配。呪われているのは、島か、少女か。怖さも面白さも圧倒的!!第21回日本ホラー小説大賞“大賞”受賞作!
葬儀場で次々と甦る死者たち。ある者は聡明に、ある者は餓鬼のように。2種類の「よみがえり」が意味することとは。第21回日本ホラー小説大賞受賞者が切り開く、モダンホラーの新たなる境地。
伊豆諸島の東端の須栄島。高校生の打保椰々子は島民たちからなぜか“呪われた美少女”として避けられていた。彼女はある日、「災いが来る」という不穏な預言を聞く。それを皮切りに島では謎の怪異が続発することに。客船の沈没、頭部の欠けた死体、老婦夫刺殺事件、人喰い鮫、海から這い出してくる大量の死者…。次々と死人が出る事態に恐れ慄く島民たち。そんななか、椰々子に好意を寄せる同級生の杜弥は、被害者すべてが彼女の関係者だと気づき…。立ちはだかる苛烈な運命を椰々子と杜弥は乗り越えることができるのか!?第21回日本ホラー小説大賞受賞作。