著者 : 飯島一次
美貌に加え、謎解きの才までもが江戸中に広まり、“室町小町”お雪を訪ねてくる者は引きも切らず、呉服屋・三浦屋は連日、押すな押すなの大混雑。主の善右衛門は騒ぎに疲れ切り、お雪もますます自室に引きこもってしまう。そんな折、お雪が愛読する戯作者の山東京伝本人が三浦屋にやってきた。京伝はお雪に、ある人物の正体を突き止めて欲しいと依頼してくる。人気シリーズ第三弾!
名同心の父をもつ植草平助は、もらい泣きをするほど人が良いが、立身出世に興味なく、とにかく厄介事は御免蒙りたい、一風変わった定町廻りの見習い同心。なんとしても手柄を立てさせ、ゆるい主人を小馬鹿にする同僚どもを見返したいと機をうかがう小者の佐吉におだてられつつ、今日も市中見廻りならぬ、寄席廻りに精を出す。そんなふたりに、ある日とうとう不思議な殺しが降りかかり…。
神田お玉が池で、日本橋の質屋「上州屋」の娘が首を吊っているのが見つかる。縁談も決まっていた娘の自死に納得のいかない上州屋の主は、呉服商「三浦屋」の箱入り娘・お雪に真相を探ってほしいと依頼してくる。事件に興味を抱いたお雪は、再び女中のお虎とともに、独自の推理で調査を開始。お雪は死んだ娘が使っていた筆記具を見て、ある事実に気づく。話題の新シリーズ第二弾!
日本橋の呉服商「三浦屋」の箱入り娘、お雪は今年十九。その美しさは広く江戸中に知れ渡り、“室町小町”と謳われるが、本人はいたって内気で、家に引きこもる毎日。そんな折、両国の見世物小屋で「ろくろっ首」の見世物を演じていた女の首なし死体が見つかる。その話に興味津々のお雪は家を抜け出し、現場を訪れるが、ならず者に襲われてしまう。新シリーズ第一弾!
日本橋の豪商「駿河屋」に阿弥陀小僧の御礼が貼られ、大騒ぎになる。そんな中、取引先の藩の若殿様が「盗まれる前にお宝を見たい」と店を訪れる。藩御用達でもある駿河屋は、さっそく若殿を座敷に通すが、一行が立ち去った後、“お宝”が見事に消えていた。その話を伝え聞いた役者修業中の中村捨蔵は、事件の真相を探り始める。シリーズ第三弾!
「阿弥陀小僧」の盗みの予告「南無阿弥陀仏」の御札が、人気役者・川村彦四郎の家に貼られ、江戸の街は大騒ぎになる。彦四郎は“お宝”を芝居小屋に持ち込み、町方も厳重警戒するが、数日後、芝居の最中に舞台で殺されてしまう。人を傷つけないはずの阿弥陀小僧がなぜ?さっそく事件を調べ始める。話題の新シリーズ第二弾!
旗本木島新太郎は、若年寄・京極備前守から直々に極秘のお役目を命じられた。江戸城の書物庫の奥深くにある座敷牢に閉じ込められた謎の人物『御厄介様』を警護する御文庫奥書院番である。御厄介様は何者なのか、なぜ座敷牢に幽閉されているのか。疑問を胸に抱きつつ、新太郎は御厄介様に頼まれて、江戸城内外で起きた奇妙な事件の調査を行うが…。
江戸の街で盗賊「怪盗阿弥陀小僧」が大評判となる。盗みの予告は「南無阿弥陀仏」の御札。変装の名手で、いくら厳重に警戒しても、鮮やかな手口で大切なお宝を盗んでいく。そんなある日、日本橋の豪商「三浦屋」に盗みの予告が届く。三浦屋の若旦那でありながら、いまは役者修業中の中村捨蔵は、独自に探索を始める。注目の新シリーズ始動!
江戸の上空に光る物体が現われ、人々から「なんじゃもんじゃ」と名づけられる。そんな折、鏡三十郎のもとへ、商家から妙な依頼が来る。四年前に姿を消した息子が帰って来たが、「天狗と暮らしていた」といい、天狗こそ「なんじゃもんじゃ」の正体だと断言するというのだ。果たして真相は?「三十郎あやかし破り」シリーズ第三弾。
「お化け長屋のあやかし先生」として、いまや江戸中の評判となっている鏡三十郎の耳に、奇妙な噂が入ってくる。なんでも、江戸の市中で雲つくような大きな猿が次々と若い女を襲い、手込めにしているというのだ。三十郎は猿の正体を確かめようとするが、事態は思わぬ方向に転がっていく。好評「三十郎あやかし破り」シリーズ第二弾。
神田の「お化け長屋」と呼ばれる裏店に住む鏡三十郎は、「世の中、ほんとに不思議なことなんてないんだよ」というのが口癖。身近に起こった怪異現象を、蘭学の知識と合理的な考えで次々と解決していき、「魔性封じの先生」と評判になる。そんな折、三十郎に大店の主人から奇妙な依頼が…。書き下ろし時代小説、待望の新シリーズ第一弾!
五街道の宿場に押し入り、大金を盗んでいく盗賊「夜鴉一味」。その頭目が江戸に潜伏しているという。そんな折、戯作修業中の朧屋彦六は、浪人に襲われた若い女を助ける。どうやらその浪人、夜鴉一味らしい。盗賊の正体を探るうちに、彦六は盗賊の黒幕と、江戸を揺るがす大陰謀に気づき…。「世直し草紙」シリーズ最終巻!
元三島町の親分、御用聞上がりの弥八老人が、若い文士こと「私」を相手に語る昔語り。銭ならぬ硬く炒った豆のつぶてを放ち、屋根から屋根へ跳び移る大鼠を撃ち落とした初手柄が評判となり、ついた通り名は、“鉄砲の弥八”。二十年以上にわたる御用聞稼業での武勇伝は数知れない。三河町の名親分を向こうに張った功名談を、随所に江戸っ子のしゃれッ気を混ぜて描く。四話仕立てのお噺しは面白可笑しく、江戸情緒も満載。