著者 : 高山ちあき
異世界の湯屋・高天原に連れてこられたまま、下働きを続けている凛子。 この湯屋の主である狗神の京之介との婚姻関係も継続中ということになる。 はじめは離縁するつもりで手切れ金を貯めていた凛子だが、この世界での暮らしは心地良く、元の世界に戻らなければならない理由もそういえばないのだった。 何より、夫である京之介への気持ちが恋なのか、自分でもよくわからなくて…。 そんな凛子のところに、人間の娘だという七緒が預けられた。彼女は死んだ恋人の子を身ごもっているのだが、それ以外の記憶をなぜか失っていて…? 行方知れずだった京之介の弟の登場により、湯屋・高天原に存続の危機が!? 凛子はこの世界に残るかどうか、決断を迫られることにーー!
箱根で温泉を満喫していた凛子。ところが狗神・京之介の窮地に、凛子の力が必要だといわれ、またしても不思議な温泉郷に連れてこられてしまった。京之介との結婚も、どうやら継続している模様。手切れ金を貯めるために下働きを始める凛子だったが、京之介の過去について気になることがあり…?だが、湯屋・高天原を狙う何者かによって凛子が攫われてしまい!?
あの世とこの世の境にある湯屋・高天原。いつのまにか狗神と結婚させられてしまった凛子が元の世界に戻るには…? ふしぎな温泉郷が舞台の異類婚姻譚! いやなことがあっても、お風呂に入ると癒されるーー。そんな思いで一人、温泉旅行をしていた凛子。ところが気づいたときには、不思議な温泉街で狗神と婚礼をあげたことになっていた! 元の世界に戻るには手切れ金を貯めて離縁しなければならないと言われ、夫である狗神・京之介が営む湯屋で下働きをすることに。様々なあやかしが訪れる湯屋・高天原には凛子のほかにもう一人「生きている人間」沙世がいて、彼女も元の世界に戻るために働いているというのだが…?
短大卒業後、母の遺言で蔵元・和泉家の家政婦として働くことになったみやび。それには、父を捜す目的もあった。天涯孤独となったみやびは父を知らない。母の形見である“鳳”の一升瓶が、父を知る唯一の手がかり。そして、“鳳”の蔵元は和泉酒造であり、母もかつて和泉家で働いていたのだー。初出勤の日、みやびを迎えたのは、クセモノばかりの四兄弟で…?
友人たちの進路が決まっていくなか、就職先が決まらない璃子。そんなとき近所の文具店で、一風変わった青年・遙人と知り合うが、なぜか彼の周りにいる奇妙なモノが見えるようになってしまう。訳がわからないまま、行方不明の父が残した万年筆に合うインクを探してもらうことに。遙人の祖母からは嫁扱いされつつ「かぐら文具店」で働くことになった璃子だったが…?