著者 : 鷹見一幸
アンドロメダ星雲での救出活動を終えて、恵一がシェイヨルに帰還したころ、シュリシュクでは途上種族に対する評価試験が実施されていた。地球の士官学校生艦隊もその試験に参加しており、ウィリアムひきいる地球軍は、これまでに六回戦い、五勝一敗。その一敗も時間切れによるもので、ほぼ引き分けと評価されていた。恵一は、地球からやってきたリー士官学校長やバーツ総司令官とともに、その最終ステージを観戦するが…。
第五惑星に降下したオルガ率いる機動戦闘服部隊は、リザードマンに似た原住民兵士と敵の多脚戦車を難なく撃退、これにより十機の救命パレットは衛星軌道へと脱出に成功した。残るは損傷した二機のパレットの乗員のみ。なんとか救出作戦も成功かと思われたまさにそのとき、第四惑星の転移プラットフォームに、続々と敵艦隊が転移を開始する!しかも、さらに二つの救命パレットが、海底深く沈んでいるのが発見されるが!?
地球へと向かう快速艇の中に恵一とロボの姿があった。恵一は今、すべての任務を解かれ、強制休暇中だった。粛清者の本拠地への第一次偵察作戦は成功したが、そのさい恵一に抗命行為があったとの申し立てがあったためだ。ひさしぶりに帰った地球で地表に降りる恵一。そこには奇妙な地衣類の繁茂する泥の大地が広がっていた。一方、シュリシュクでは、アンドロメダ星雲に対する第二次偵察作戦が実施されようとしていた…。
月で異星人の遺物が発見され、未発見の“帝国の遺産”を求めて、太陽系に新たなるゴールドラッシュが訪れていた時代。日本の中小企業の社員が小惑星帯で途方に暮れていた。一攫千金を夢見た社長に「宝探し」を命じられたものの、会社が倒産!食料はない。地球はおろか、どこに行く船賃もない。まさに島流し状態!だが、彼らにはひとつだけとっておきの代物があった。彼らは見つけていたのだ、驚くべき“帝国の遺産”を!スペース・オペラの真髄!
銀河系とアンドロメダ銀河のほぼ中間地点に存在する矮小不規則銀河。そのひとつに建設中の前進基地に、恵一たち長距離偵察戦闘艦隊は転移を行なった。そこで恵一たちが見たのは、中心部に太陽を内包した惑星の公転軌道サイズの巨大な戦闘要塞であった!その基地で最終的な調整と装備を整えた恵一たちに、転移先の座標データが上級種族から送られてきた。ついに長距離偵察戦闘艦隊は、未踏の敵支配星域へと転移するが!?人類対粛清者の激烈なる死闘を描く壮大なスケールの戦争SF。
ケイローン軍の長距離偵察戦闘艦隊に選抜された恵一たち地球軍独立艦隊の20名をはじめとするメンバーは、秘匿された辺境の星系で、奇怪なシルエットを持つ粛清者の旧型戦闘艦に偽装した新造艦の習熟訓練に必死で取り組んでいた。めざすは250万光年離れた粛清者の支配星域、アンドロメダ銀河!一方、太陽系の特別士官学校では、新たに入学した第二期練習生800名が、きびしい訓練の日々を送っていた…待望の第2部、開幕!
恒星反応弾が撃ちこまれてから半年後、環境作業用強化スーツを着た平泉乃愛は、降り続く豪雨の中、荒れ果てた地表で生き残った生物を必死で探していた…生物回収チームの活躍を描く「遅れてきたノア」をはじめ、休暇中の恵一とロボのエピソード、上層部から却下されながらも、攻勢偵察部隊の研究を続けるケイローン軍将校の物語など、第1部と第2部とをつなぐ五中短篇を収録。シリーズのすべてがわかる「大事典」も掲載!
粛清者の捨て身の浸透攻撃により、リヒトル中将をはじめとする艦隊司令部を失った太陽系防衛艦隊は、スション少将を総司令官代行とし、必死で敵の波状攻撃を撃退する。だが、それをあざ笑うかのように、新たなる敵が転移してきた。その総数、なんと三万二千隻!しかもそれと同時に、千二百五十発もの恒星反応弾が、いっせいに太陽めがけて発射されたのだ!果たして、太陽系を守りきることはできるのか…第1部、堂々完結!
粛清者の侵攻は、従来のやりかたとはまったく違っていた。まず転移する艦数を8隻16隻32隻と倍数で増やしてくる。巡航艦や駆逐艦などの雷撃艦隊だけでなく、大量の機動戦闘艇をいっきに投入する。そして、艦体に鋭い棘のような突起物のある、戦列艦よりも巨大で凶悪なシルエットを持つ戦闘艦を出現させたのだ!“箱船”や脱出船による転移ゲートからの地球人類の避難が進むなか、果たして恵一たちは地球を守りきれるか!?
宇宙空間を巨大なブロックが飛んでいく。月面から打ち上げられた無数のブロックは、軌道上で組み立てられ、巨大な石壁を構築しつつあった。“長城”と名づけられたこの堤防は、粛清者の恒星反応弾による太陽嵐から、少しでも地球を、転移ゲートを、脱出船を守るためのものだ。人々を避難、脱出させる準備も同時に、急ピッチで進められている。だがすべてが未完成の今、太陽系全域に警報音が鳴り響いた。粛清者襲来!と。
感応端末へのジャミングという粛清者の攻撃を受け、大混乱に陥ったモルダー星系防衛軍。だが恵一は、ただちに音声と映像による通信ラインを確保すると、少将心得として途上種族の全独立艦隊に対して指揮権を発動し、敵の新たな転移ポイントへの出撃を命じた。しかし粛清者たちは、この星系を破滅へと導く、怖るべき新兵器を転移させてきた!はたして防衛軍は、惑星モルダーの120億の人類を守りきることができるのか!?
ケイローンの首都惑星シュリシュクに粛清者の侵攻警報が轟いた!“魂の試練”でかつてない優秀な成績をおさめ、アロイスと同等の武装を持つ艦隊と、地球軍独立艦隊としての指揮権、その補給、維持管理に伴ういっさいをケイローンと同じに扱う眷属権限を勝ち得た地球人類にも、出撃命令がくだる。恵一たちは最新鋭の艦隊を譲り受け、ただちに侵攻を受けているモルダー星系へと向かう、強大な粛清者の侵攻軍と戦うために!
地球防衛のための援助を得るべく、ケイローンの首都惑星シュリシュクに到着した恵一たちを待っていたのは、“魂の試練”だった。同様の要請を携えこの星を訪れている他の28種族との3回の戦いの結果により、支援の優先順位が決まる!初戦はドローンを相手に戦う団体白兵戦。2回めは、選抜された兵士による機動戦闘艇を使った格闘戦。3回めが、艦隊同士の機動戦であった。果たして恵一たちは、この試練に勝ち残れるか!?
太陽系全域に警報が鳴り響いた。「粛清者襲来!即応せよ。これは訓練にあらず!」ついに怖れていた粛清者の探査機がやってきたのだ。ただちに連邦宇宙軍は迎撃部隊を派遣する。だが、侵入してきたのはただの無人探査機ではなかった。強大な攻撃力を秘めた、二機で一組の強行偵察型探査機を粛清者は送りこんできたのだ!迎撃に向かった哨戒艇二隻はあっけなく撃破され、戦艦を含む即応艦隊が新たに派遣されるが…!?
世界各地で、スペースコロニー建設のための礎となる完全環境都市や、防衛の要である宇宙基地が急ピッチで建造されるなか、教育コロニー・アルケミスに設置された士官学校でも、有坂恵一をはじめとする教官の指導のもと、練習生が厳しい訓練を続けていた。ドローンを相手にした各個人の機動戦闘艇訓練、練習生総当たり戦、教場単位の集団戦闘訓練…そんなさなか、“教導者”は突然、訓練を前倒しにすると発表するが!?
世界各地で、一次心理試験を突破した子供たちが、練習生となるべく、行動的適性を調べる二次試験に挑んでいた。だがその試験は、筆記や口頭試問ではなく、仮想現実空間内での一種のゲームであった!一方、一週間の休暇を終えた恵一ら教官候補生40名を乗せた練習戦艦アルケミスは、補給艦エデンから出航し、訓練空域である太陽系外縁部へと向かう。どんな熾烈な戦闘状況になろうと、絶対に負けない!そう心にきめて。
蒼橋星系から紅天艦隊が本国へと帰還し、ようやく平和が訪れたとだれもがほっとしたその時、撤収した敵艦の数が合わないことが判明した!4万トン級の大型艦1隻と小型艦6隻からなる“L”破壊をもくろむ紅天特務部隊を阻止すべく、義勇軍は奮闘するが…蒼橋騒乱決着までの顛末と、その3年後、連邦宇宙軍を退役したムックホッファが、熊倉中佐、末富大尉、和尚らとともに、“星海企業”を立ち上げるまでを描いた完結篇。
“紅天”政府による最後通牒により、連邦宇宙軍蒼橋平和維持艦隊に撤退命令がくだった。EMP被害の救援活動中であるムックホッファ准将の部隊を残し、“星湖”基地へ帰還すべく蒼橋跳躍点へと向かうキッチナー中将率いる平和維持艦隊を、突如として、無数のビームが包みこんだ!紅天艦隊が奇襲攻撃をしかけてきたのだ。平和裏に撤退中の艦隊を、なぜ攻撃?かくて壮絶なる蒼橋跳躍点会戦の火ぶたは切って落とされた。
葡萄山にある“蒼橋”義勇軍司令部は騒然としていた。“天邪鬼”迎撃のために急造した“踏鞴山”のビーム砲が突然リークし、強烈な電磁パルスが蒼橋星系全域を襲ったのだ。これによりすべての通信は途絶、特に低軌道上にある老朽化した“紅天”系衛星に多大の被害を与えていた。義勇軍が懸命に復旧作業に取り組むなか、“紅天”の秘密工作部隊は様々な破壊活動を実行、さらにその怖るべき魔手は葡萄山司令部にも迫っていた…!?伝説の痛快宇宙冒険SF誕生秘話、待望の第2弾。
東銀河系南東部の辺境に、小さいながらもそれなりの知名度を持つ自治星系がある。人呼んで“蒼橋”。豊富な鉱物資源に目をつけた“紅天”星系資本により開発されたこの星系で、その圧政に耐えかねた住民との間で抗争が勃発!事態を重視した連邦政府は、ムックホッファ准将らが率いる2艦隊を派遣するが…ムックホッファとロケ松はなぜ連邦宇宙軍をやめ“星海企業”をつくることになったのかー“銀河乞食軍団”誕生秘話。