著者 : 黒十字
壊胎壊胎
昔々、あるところに私たちの祖先が暮らしていました。くちなわ様の“ごかご”のおかげで、みんな幸せでした。しかし、そんな恩を忘れて人間に恋した愚か者が現れました。愚か者は、人間にわたしたちの秘密をあらいざらい話してしまったのです。その話を聞いた人間たちは、しめしめとわたしたちの国に襲いかかりました。わたしたちは成す術もなくやられ、散りぢりになってしまったのです。くちなわ様は、人間に恋した愚かな裏切者に激昂し、恐ろしい呪いをかけました。呪いの子を裏切者の母体にー仕込んだのです。
PREV1NEXT