著者 : 黒崎視音
伝通院以来、秘かに想いを寄せていた土方歳三との別れ。新徴組組士千葉雄太郎との恋。そして悲憤の別離。世のため江戸庶民のためと職務に精励する新徴組だったが、彼らのその高い志が皮肉にも歴史を動かす引き金となってしまった。戊辰戦争…。討幕の流れは止めようもなく、いつしか庄内藩酒井家は朝敵となってしまう。やりきれぬ理不尽さに戸惑いつつ中沢琴は泥沼の戦いに臨むのだった。
尽忠報国の志を持つ者ならば、身分を問わず。十四代将軍上洛警護のため広く天下から募られた浪士組。そのなかに一人、女性剣士の姿があった。中沢琴、上野国利根郡穴原村の剣術道場“養武館”の娘。法神流の剣と薙刀の遣い手である。江戸の伝通院には土方歳三らのちに新選組として名を馳せる者らも集結、熱き心を胸に京を目指す。新徴組組士として幕末を懸命に闘い抜いた琴の旅が始まる。
公安で培った術を駆使して解決のためならなんでもあり、捜査一課きっての実力行使派明日香。わけあって所轄署に飛ばされてもなお、冷静な分析で事件解決の糸口を見つける地味系心理捜査官爽子。男社会の警察で、眼の前の事件以外のものとも闘いながら、女だてらにと眉をひそめる男どもを尻目に、女だからこその度胸で難事件に立ち向かうー。本書のための書下し新作ほか極上の全三篇!
新潟市内に三十数名の北朝鮮精鋭特殊部隊が潜入!拉致情報機関員の奪還を端緒として“戦争”が偶発したのだ。初めての実戦を経験する陸上自衛隊の激闘ー。防衛庁対遊撃検討専任班の桂川は対策に追われるが、彼の狙いは他にもあった。それは…。息をもつかせぬ急転また急転。そして、衝撃の結末!いま一番の注目株・黒崎視音の文庫最新作。
「相手は銃器で武装。現場には多数の人質がいる模様。これより特殊治安出動装備にて臨場する!」警視庁警備部第六機動隊、通称六機。対テロ対策を主とする特殊部隊だが、出動要請は様々だ。厚いベールに包まれた特殊部隊を描く傑作アクション。
綿密な取材、緻密な構成、ユニークな人間観察、スリリングなストーリー展開、犯人を追いつめるプロファイリング…。警察小説の新たな地平を切り拓く問題作。ミステリー界に新風を吹き込む驚異の大型新人登場。