著者 : 黒野伸一
二〇四〇年、消費税20%、長引くデフレの影響で荒廃している東京。フリーの看護師園田詠美は、元政治家で、その後は活動家となったかつての高校の同級生の街頭演説に遭遇する。しかし突然、爆発が起こり、その活動家を救出しようとしているさなかに意識が飛ぶ…。コロナ後の世界、そしてMMT(現代貨幣理論)を探り入れた日本経済を描いた、まったく新しい経済SF小説です!
三十二歳のあさ美は、ナンバーワンキャバクラ嬢。とはいえ、勤務先の「濱乙女」は激安店。繁華街から離れた倉庫街の近く、いわゆる場末だ。実家暮らしの彼女が、タワマン生活を夢見て…。ゴミ屋敷で暮らすおばあちゃん、シェアハウスで出会った男女。高齢化や待機児童など、様々な問題の中で生きる人々を描いた、心温まる連作長編。
毎年10月に池上本門寺で行われるお会式は、日蓮上人入滅の法要です。当日には、全国から30万人もの人々が集まり、池上は、盛大なお祭り空間と化します。この小ぢんまりとした門前町に越してきた美咲は、古くからくず餅の商売を商う老夫婦、飲み屋横丁に集う人々、美咲同様に新しくこの町に住みついた「新住人」、そして池上本門寺の子院である本妙院の住職と知り合い、すこしずつ、この観光化されていない、含羞に満ちた門前町に自分の居場所を見つけていきます。史上初のお会式小説!
農業高校を出たけれど、大沼村から飛び出て、東京で暮らすも挫折し、戻ってきた和也。彼はバイト先で知り合った農薬を使わない有機農業を始めたばかりの春菜を手伝うことになった。村では農業生産法人の部長で、東京から来た理保子が新しい農業を実行しようとしているが、従来の農作業が主流の村では反発する人も多く、ゆきづまりを感じていた。近代農業と有機農業、共存共栄への道とは?
わたしの名前は恵。二十歳。プーさんー健司さんの家で働いている。横浜に住んでいるプーさんの家族は五人。おばあちゃんのマサさん、おじいちゃんの蔵弘さん、お姉ちゃんの瑠璃と、弟の浩がいる。わたしはみんなと仲良しで、とっても幸せ。そして、拾ってくれたプーさんのことが、大好き。そんなに器用じゃないけれど、そんなに可愛くないけれど、わたしはこの家族をアイしている…心から、本当に。けれども、あんな事件が起きてしまってー。
不倫、恫喝、逆ギレ、云々(でんでん?)、未曾有(みぞうゆう!)、無教養?政治家にも資格試験を!立法・司法・行政の三権のうち、中央省庁の役人も裁判官も、超難関の試験を通っている。なのに、一番大切な立法府を構成する国会議員には試験がないのは、おかしくないか?国会議員の在り方に一石を投じる問題作。
キャバクラ「濱乙女」ナンバーワンキャバ嬢あさ美、ゴミ屋敷で暮らす蓬莱のおばあちゃん、シェアハウスで出会った譲二と唯…。高齢化や待機児童など、様々な問題の中で生きる人々を描いた、心温まる連作長編。
限界集落と言われ、過疎・高齢化のため社会的な共同生活の維持が困難だった止村は、東京からきた多岐川優の活躍で、なんとか窮地を脱した。あれから四年。麓にはショッピングモールができるなど、止村は活況が続いている。そこへ麓の町の駅前開発計画がもちあがり、世論は二分される。その争いは多岐川家の夫婦間にもおよび、美穂は家を飛び出し、住民投票での劣勢が予想される側である駅前商店街保存に奮闘する。現状維持か、都市開発なのか。日本のそこかしこで直面している問題に切り込む地域活性エンタテインメント、待望の続編。
イジメが嫌で高校に行かなくなった岡本瑛太。そんなとき、父親は自分の店である鍵屋の仕事を手伝わせた。意外とこの仕事に向いていた彼は、父親が亡くなった後、家業を継いだ。借金付きで…。ある日、近所に大手の鍵チェーンが出来て、経営が苦しくなったところに、やばい人とのトラブルから、とんでもないことをするハメに…。何をやってもついてない真面目男に、未来はあるのか?
小さなプランニング会社の新米社員・川内美月は「遺言ツアー」なる企画を思いつきで提案。なぜか実現の運びとなるが、温泉旅館で始まった二泊三日のセミナーは、個性派ぞろいの参加者たちに振り回されどおし。やがて美月は参加者の人生にふれて遺言の意味に改めて気づかされるが、思わぬトラブルが…。笑いと涙のハートフルストーリー。
養鶏場を経営するも、借金まみれ。あげくに追加の設備投資を勧める営業マンを突き飛ばし、鈴木明男は軽トラックで逃亡した。たどり着いたのは神山田という人里離れた山村。昔からの村民、こなたばあちゃんの家で厄介になりつつ、そこで明男が目にしたのは、お金を使わず自給自足、義務や強制のない暮らしを提唱する男、民人がつくった共同体だった。彼らの目的は?本当のエコって何?
東京からきた多岐川優の活躍で、消滅の危機を脱した止村。あれから4年ー。駅前のシャッター通り商店街、再開発か、現状維持か!?優との行き違いから家を出ていた美穂は、劣勢側の駅前商店街保存に奮闘するが…。地方が直面する問題に切り込む、地域活性エンタテインメント!人口減少社会の希望がここにある!!
起業のためにIT企業を辞職した多岐川優が、人生の休息で訪れた故郷は、限界集落と言われる過疎・高齢化のため社会的な共同生活の維持が困難な土地だった。優は、村の人たちと交流するうちに、集落の農業経営を担うことになった。現代の農業や地方集落が抱える様々な課題、抵抗勢力と格闘し、限界集落を再生しようとするのだが…。集落の消滅を憂う老人達、零細農家の父親と娘、田舎に逃げてきた若者。かつての負け組が立ち上がる!過疎・高齢化・雇用問題・食糧自給率、日本に山積する社会不安を一掃する逆転満塁ホームランの地域活性エンタテインメント。
「あなたがお隣に引っ越してきてから、わたしの人生はまた乙女時代に戻ったかのような活況を取り戻しました」竹内京子、二十歳。右目の斜視にコンプレックスを抱く彼女が、就職を機に引っ越した先で、変わり者のおばあさん、杉田万寿子に出逢った。万寿子からさまざまないやがらせを受け、怒り心頭の京子。しかし、このおかしなやりとりを通じて、意外にも二人の間に、友情ともいうべき感情が流れ始めるのだった。半世紀の年齢差を超えた友情が、互いの人生に影響を与えていく様を温かな筆致で描く感涙の物語。
「どうせなら金を賭けないか?誰が一番長生きするか」聡、弘、明男、正輝、博夫、規子の6人は、小学校時代からの幼なじみの76歳。全員ヒマな上、比較的元気なので、時折同窓会を開いている。しかし話題は、暗いものばかり。そんなある日、6人の中でも最も明るくマッチョな明男がそんなラテンな提案をする。皮肉にも、酔狂な賭けを通じて彼らはお互いのことをよく知るようになるのだが…。生と死、老いと人生を切なくもユーモラスに描き、高齢化社会を希望で照らす、ヒューマン・エンタテインメント。賭け金総額五千七百万円、『長生き競争!』ここに開幕。
坂本家はサザエさんちと同じ七人家族。ニートの父親、息子溺愛の母親、サプリ漬けのばあさん、大仏似で短大生の長女、美少女不思議系の高一次女、いじめに悩む優秀な中一長男。そんな一家の精神的な支柱は、三女のミキだが、彼女もクラスで孤立していく。ああ家族ってめんどくさい!でも、ほっとけない。家族小説に青春小説をハイブリッドした、第一回きらら文学賞受賞作。
OL奈美江は我が道を行く、強面のポッチャリさん。三十路を目前に、“太っているのは美しい”を標榜する会へ入会し、人生は急展開。本気の恋に悩み、さらには事件に巻き込まれ、最高体重を更新中。彼女の明日はどっちだ!?反感、嫌悪、のち共感。思わず応援したくなるダイエット・エンタテインメント。
「どうせなら金を賭けないか?誰が長生きするか」。聡(サトシ)、弘(ヒロシ)、明男(アキオ)、正輝(マサテル)、博夫(ヒロオ)、規子(ノリコ)の6人は、小学校時代からの幼なじみの76歳。全員ヒマな上、比較的元気なので、時折同窓会を開くが、どこの誰がボケただの、病気で死んだだの、暗い話題ばかり。そんなある日、6人の中でも最も明るくマッチョな明男が、こんなラテンな提案をして…。高度高齢化社会をやさしい希望で照らす、渾身のヒューマン・エンタテインメント。