著者 : Id
間宮伯爵家は大日帝国の王家を裏で支える、代々続くヴァンパイアの家系だ。だが嫡男の弓弦はそんな己の運命を呪っていた。というのも、幼き日に結婚の約束をした親友の忠匡が、帝国陸軍の対ヴァンパイア特殊部隊VETに所属しているからだ。忠匡は知る由もないが、自分と彼とは違う種族、そして敵同士。愛すればこそ忠匡をこの忌まわしい血に巻き込んではいけない。弓弦は忠匡との接触を避けるようになるが…。
上海に出張中の商社員、悠清はたまたま訪れた展示会場でひとりの男から声をかけられる。彼の名はラオイェ、実業家だった。誘われるまま食事を振る舞われた悠清は、ラオイェに奇妙な既視感を覚える。「おまえのことは知っている、ずっと前から」-囁かれ、首筋を咬まれた瞬間、悠清は遙か昔の上海へと…。黒社会を仕切る謎の男、ラオイェ。そしてラオイェがかつて愛した男と同じ魂を持つ悠清。二つの時代を超えて結ばれる愛の奇跡。
急逝した双子の兄、航の足跡を辿っていたライターの翔は、隠れ家のようなバー、ムスクローズに行き着く。そこは元議員秘書の柴崎がオーナーを務める店。柴崎と航は恋人同士だった…?二人の関係を探るうち、翔は柴崎の強引でありながら憂いを秘めた魅力にからめ捕られていく。同じ頃、翔は偶然にもある政治資金疑惑の取材をすることに…。兄の秘密とは…柴崎と事件の関わりとは…。闇を孕むスキャンダラスLOVE。
新宿を縄張りにもつ大道寺組は、台湾マフィアに組長を殺され、解散を余儀なくされた。愛された記憶のない自分に、初めて愛を教えてくれた組長…クールな美貌で『ドス光』と恐れられる若頭の久遠は、密かに仇討ちを誓う。そんな折、アメリカから組長の忘れ形見、剣が…。父親と瓜二つの青年、剣は一流の傭兵だった。復讐劇に巻き込むまいとする久遠だが、強引な剣に激しく心かき乱され…。